アメリカでは「ワクチン観光」も!大混乱・日本の接種”最後進国”ぶり

 人によっては何十回電話しても予約電話がつながらず、果ては有名ドラッグストアの会長が影響力を笠に着て優先的に予約を取り付けようとしたことがバレてそのドラッグストアの不買運動にもつながっている。どうせこうなるとは思っていたが、言わんこっちゃない、日本のワクチン接種は全国各地で大混乱している。

 そんな日本国内の状況とは正反対、ワクチン接種で大いに先んじたアメリカでは、もはやワクチンが余っているので「ワクチン観光」なるものが行われているのだとか。

「アメリカのニューヨークやダラスといった都市では最初からワクチン接種の特典を謳っては外国人を観光で誘致していて、既にダラスでは例えばカナダやメキシコといった隣国の人が接種に訪れては現地にお金を落として帰っていっているそうです。それも予約はしごく簡単で、端末に向かって何度かクリックするだけ。申し込みの住所欄には宿泊先のホテルを書いても問題ないという便利さ。ワクチンが余っているので、外国人に提供することに地元住民から何の反発もなく、むしろ地域経済に有益と考えているとのことです」(経済ジャーナリスト)

 そんな具合だから、6日にはニューヨーク市長がタイムズスクエア、エンパイアステートビル、セントラルパークなどの観光名所に接種所を設置すると発表。同じように手軽に接種できる場所はその他にもヒューストン、ラスベガス、マイアミ、シカゴなどがあるという。

 ちなみに世界レベルで言えば、人口100人当たりの接種回数で見ると、トップのイスラエルの116.1回と2位のUAEの114.5回が抜きんでていて、その次に英国の80.0回、アメリカの78.8回などが続いた後、主だった西洋先進国は40回前後進んでいる。そんな中、“後進国”の日本はわずか4回だ。

「中でもイスラエルは、ワクチン関連の集計データと感染症・死亡状況の報告書をファイザーとWHOに提供することで国を挙げてワクチン接種に取り組んだことで有名ですが、ファイザーCEOのブーラ氏が明かしたところでは、イスラエルのネタニヤフ首相は朝晩問わず30回もブーラ氏に電話をかけてワクチンの提供を懇願したそうです」(前出・ジャーナリスト)

 一方、我らが菅首相の場合になると、バイデン大統領との首脳会談で訪米した4月19日にブーラ氏に電話したことがまるで大きな成果のように語られる始末。これで東京五輪に間に合うというのだろうか。

(猫間滋)

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