アメリカで交通違反の反則金を納付したら超ビックリ…日本ならありえない話

 政府の「デジタル・ガバメント閣僚会議」は12月20日、行政手続きの電子化推進に関する実行計画を取りまとめた。この計画は同日の閣議で決定され、今後は24年度までに行政手続きの9割をオンライン化する方向だという。

 同計画によると22年度からはパスポートの申請がネット上で行えるようになるほか、現在は収入印紙で支払っている各種の手数料もクレジットカード決済に対応するという。この変化について週刊誌記者が指摘する。

「企業では領収書をはじめ様々な場面で収入印紙を用いますが、棚卸の際には現金等価物とみなされるので、経理から『手持ちの収入印紙や切手を申告してください』と指示された経験を持つ人も多いことでしょう。それがカード払いになれば期末の処理がラクになるはずです。一方でカード払いの機会が増えることから、法人カードの需要も増えるはず。今後は携帯電話の二台持ちさながらに、個人用と法人用の【クレカ二枚持ち】も一般化するかもしれません」

 手数料のカード払いでは欧米が先行しており、業務で必要となる手数料はもちろん、交通違反の反則金もクレジットカードで納付するのはもはや当たり前だ。日本人旅行者でも駐車禁止や軽微な速度違反では、反則金の金額とアクセス先のURLが記載された通知書をもらった人も珍しくないはず。アメリカ西海岸でそのカード払いを体験したトラベルライターが振り返る。

「パーキングメーター式の駐車場で制限時間を超過してしまったため、車に戻ってきたらワイパーに通知書が挟んでありました。『ああ、やっちまった!』と思いつつ通知書を読むと、カード払いできると分かって驚いたものです。なおデータの更新に時間がかかるのか、実際にネット上でカード払いできるのは翌日になってから。国外からだとサイトにアクセスできないこともあるそうなので、注意しておきたいところです」

 このライターは「Parking Citation Payments」(駐車違反罰金支払い)というサイトにて、通知書に記載された番号などを入力。普通のネットショッピング同様に支払いを済ませることができたという。

「手続きは実に簡単でした。ただひとつ驚いたのは、支払い完了後に『Thank you for your payment』というメッセージが表示されたこと。まさか反則金を払って『お支払いに感謝します』と言われるなんて思っていなかったのでビビりましたね。日本なら絶対にあり得ないでしょうし、変なところにお国柄が表れていて感心したのを覚えています」

 日本で反則金のカード払いが可能になった時、どんな文言が表示されるのか。今から気になるところだ。

(北野大知)

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