阪神の新外国人、メル・ロハス・ジュニア外野手が実戦デビューした。福岡ソフトバンクとの二軍戦に「3番DH」で出場した(4月20日)。第1、第2打席は良いところがなかったが、第3打席では右中間を割るタイムリー二塁打を放った。
「一連のコロナウイルス禍で来日が遅れ、実戦から遠のいていました。実戦感覚が鈍っていたとしても仕方のないことですが、本人が『試合に出たい』と言って聞かないので」(在阪記者)
今さらだが、昨年は韓国リーグで活躍し、47本塁打、135打点の二冠王でMVPにも選ばれたスイッチヒッターだ。「打球の速さが違う」との評価もあったが、その内容は当然、一軍の矢野燿大監督にも伝えられたはずだ。
「メル・ロハス・ジュニアの一軍合流は近いと思います。レフトでの起用を予定しているようです」(同前)
一軍登録は5人、試合出場は4人までとなっている外国人選手枠の問題もあるが、メル・ロハス・ジュニアの二軍戦デビューと同時に出始めたのが、「外野手のなかで誰がスタメンから外されるのか?」の声だ。
「矢野監督はセンターの近本光司にリードオフマンとして期待しています」(球界関係者)
阪神の外野布陣はもっか「左翼・サンズ、中堅・近本、右翼・佐藤輝明」となっている。ジェリー・サンズは打撃好調なので外せない。キャンプ中、一塁の守備練習にも加わっていたので、コンバートされても影響は出ないだろう。その一塁には3番を任されて、こちらも好調のジェフリー・マルテもいる。状況次第では佐藤がスタメン落ちとなる可能性も否定できない。
「メル・ロハス・ジュニアの推定年俸は2億5750万円。阪神には『外国人選手は年俸の高い順から使っていく』というヘンな伝統もあるので、メル・ロハス・ジュニアは一軍合流と同時にスタメン起用されるでしょう。佐藤の将来性を考えれば、スタメンから外すべきではありませんし、ファンも納得しないでしょうが」(同前)
阪神以外の野球ファンも、佐藤の豪快な一発を見たいと思っているはずだ。阪神は首位戦線を快走しており、優勝を意識した采配に徹しなければならない場面も出てくるだろう。「育てながら勝つ」の理想の采配ができるのかどうか、矢野監督の決断が注目されそうだ。
(スポーツライター・飯山満)