2度目の緊急事態宣言が解除されたかと思いきや、1府2県に「まん延防止等重点措置」が適用され、4月12日からは東京都、京都府、沖縄県も対象に追加された。「まんぼう」というコミカルな響きとは裏腹に、失政続きで各地に怒りの声が蔓延する。コロナ第4波をめぐる、6大震源地の現状をレポートしよう。
【1】大阪・吉村知事「緊急事態宣言」早期解除で迷走
コロナ第3波の影響で今年1月13日に国内2回目となる緊急事態宣言が発令されたが、大阪府の吉村洋文知事(45)は当初の予定より1週間前倒しの2月28日に宣言解除した。のちに「判断として間違っていない」と強弁したが、感染者数、病床使用率は右肩上がりで急増。3日連続で過去最多を更新した感染者数は4月8日、905人にまで達した。結果、わずか1カ月余りで「まん延防止等重点措置」の適用となったのだ。ジャーナリストの横田一氏が語る。
「吉村知事と松井大阪市長は、無反省すぎます。まん延防止等重点措置は緊急事態宣言とほぼ同じ内容で、だったら、早期解除しなければ今回のような感染爆発を招かなかったのではないですか。『緊急事態宣言で感染を減らしすぎた結果、変異株に置き換わって急拡大した』という吉村知事のとんだ言い訳は笑えない。まずは医療従事者や飲食店関係者に謝罪をすべきです」
そして「まん防」では、感染防止対策として「見回り隊」を導入したことも不評を買っている。
「莫大な人件費と時間をかけて、大阪市内の飲食店約4万軒を見回るなんて笑止千万です。昼間を担当する府と市の職員約40名には発生しませんが、夜間は民間業者への委託で、費用は数億円で見積もり中だとか」(横田氏)
連日、ワイドショーに出演してコロナ対策をアピールしている吉村知事だが、その強気な姿勢は個人的な野望に支えられているというのだ。
「府知事として実績を上げたら、国政復帰を考えています。果ては、総理大臣のイスも狙っていると聞こえてくる」(政治部デスク)
府知事の暴走に「大阪モデル」で赤信号が点灯するか─。
【2】効果に疑問の「まん防」
そもそも、「まん防」に感染者拡大を食い止めることが期待できるのか。ジャーナリストの鈴木哲夫氏が解説する。
「感染原因とされることが多い飲食店への時短要請ですが、効果について科学的には立証されていません。ただ政策をやっている感を出したいだけですよね」
にもかかわらず、飲食店は負担を強いられ続ける。大阪市内の飲食店関係者が悲鳴を上げる。
「うちの店舗は要請通り、20時でお客さんに退店してもらっています。ただし、うちはチェーンで、大きな店舗だと月1000万円は売り上げるので、協力金を貰っても微々たるもの。正直、大阪市内のどの店も時短に従いたくないというのが本音でしょう。吉村知事が緊急事態宣言を中途半端に解除しなければ、まん防をやらなくてよかったかもしれないのに」
今回の要請では、飲食店にさらなる条件が追加されている。アクリル板やCO2センサーの設置、マスク会食などだ。鈴木氏が首をかしげる。
「こぢんまりとした飲食店にCO2センサーを設置しても、あまり効果はありません。もともと密状態ですから、1分置きにピーピー音が鳴るばかりです」
ところが、そんな効果が不透明な「まん防」に、東京都の小池百合子知事(68)も乗っかった。
*「週刊アサヒ芸能」4月22日号より