「お、ねだん以上」のキャッチコピーでお馴染みの家具大手「ニトリ」が、3月18日にニトリ梅島ショッピングセンターの敷地内にファミリーレストラン「ニトリダイニング みんなのグリル 環七梅島店」をオープンさせファミレス業界に参入。これに業界関係者からは「いずれ覇権を握るのでは」といった声も上がっている。
「『ニトリダイニング』は一部報道では紹介されたものの、大々的に宣伝を展開していないため、ニトリがファミレスを始めたことを知らない人も多いのではないでしょうか。現在は環七梅島店の1店舗のみで、4月27日にはニトリモール相模原の駐車場に2号店を開く予定となっています。イチオシのメニューは『チキンステーキ』と『チキングラタン』で、どちらも税込み500円という驚きの価格で提供されているのです」(グルメライター)
ニトリのファミレス参入は意外に思われるかもしれないが、実はニトリホールディングスの子会社であるニトリパブリックは、あの「いきなり!ステーキ」のフランチャイズ事業も手掛けており、かつては関連店舗がチェーン店売り上げで上位を記録したと報道されたこともあるほど。現在は「いきなり!ステーキ」のイメージ悪化で閉店する店舗も出てきているが、その空き店舗にフランチャイズ運営で手にしたノウハウを利用して「ニトリダイニング」をオープンさせているのだ。
「もちろん、『ニトリダイニング』でもステーキは扱っていて、『リブステーキ』は150gで990円。『いきなり!ステーキ』のリブロースステーキは160gで1408円ですので、価格的には400円以上安い、まさに『お、ねだん以上』な商品を提供しているのです。今後、ニトリの店舗内に続々と『ニトリダイニング』をオープンさせていけば、材料の仕入れ値をさらに下げることも可能と考えられます。他のファミレスチェーンを圧倒するような状況になるかもしれません」(経営コンサルタント)
ニトリが家具だけでなく、ファミレスでもトップを窺う日が来るのか。
(小林洋三)