カタールのアルホールでプレーする日本代表MF小林祐希による“審判批判”が物議を醸している。
事の発端は3月9日に投稿した小林のツイートだった。「今日の試合で俺がカタールに来て1番衝撃的なことがあった」と書き出し、同国リーグ第18節のアル・ガラファとの対戦中、「試合後半、チームメイトが打ったシュートが相手ディフェンダーに当たってゴールラインを通過していった。普通ならコーナーキックでマイボール。みんなが知っている。レフリーはゴールキックを指示した」とアルジャシム主審による誤審があったという。
これに対し、小林は「1番近くにいた俺が『he touched』とレフリーに言うと『yes, I was small touch. But small touch is no touch. This is new rule』と言って相手チームの選手と笑っていた」と同主審とのやり取りを回想。
その後もアルジャシム主審による誤審を追及したところ、「ok you’re my opponent, I’m gonna kill you(分かった、君は私の敵だ。殺すぞ)」との暴言を浴びせられたと暴露。小林は「レフリーの言ったことが録音されているはずだから聞いた方がいい。サッカー云々関係なく、人に対して殺すぞと言って良いのか? ありえないでしょ。カタールリーグがこのレフリーに対してどんな処分を下すのか。普通なら2度と笛を吹けなくなるよね」とアルジャシム主審を糾弾していた。
この一連の小林の主張に対するカタールリーグ側の対応に注目が集まっていたが、その後、事態は急変。11日に再びツイッターを更新した小林はそれらの投稿を全て削除した上で、カタール協会と同騒動について話し合いを行ったと英語で説明し、「誤解があり、『I kill you』と聞こえた主審の言葉は実際には『I tell you』の聞き間違いだった」とツイートした。
続けて、「このような事態を招いた事、そして全てのツイートについて、アルジャシム主審に謝罪します」とし、「僕はカタールが大好きだし、ここに住んでプレーし続けたい。ここの人たちは皆、僕にリスペクトを示してくれて、なんの問題もない」とも綴っている。
「カタール協会との会談を終え、主審への糾弾を全て撤回した小林。ただ、『kill you』を『tell you』と聞き間違えたとの説明に留まり、そもそもの試合中のミスジャッジに対するアルジャシム主審による『This is new rule(これが新しいルールだ)』との“開き直り発言“については言及しませんでした。日本のサポーターからはこの点に対する説明を求める声も多く、『その前の主審の発言は聞き間違いでは済まされないのでは?』『これで本来の問題であるミスジャッジが有耶無耶になりましたね。何か裏がありそう』『small touch is no touchの方も含めて全てが聞き間違いだったということ? さすがにそれは…』『録音された音声を公開して』との反応が続出。また、かねてより自己主張の強いキャラクターで知られてきた小林の突然の幕引きに対し、『あんなに尖ってる小林選手が素直に謝ってるのが逆に怪しい』『かなりの不時着感が残る』などと指摘する声もありました」(スポーツライター)
カタールといえば、2022年にワールドカップ開催国という大役を控えている。審判のジャッジを巡るトラブルについては、より透明性の高い対応を心がけてほしいところだが果たして…?
(木村慎吾)