2017年11月、旅行会社「てるみくらぶ」が虚偽の書類を提出して銀行から約2億円の融資をだまし取っていたとして、詐欺などの容疑で山田千賀子社長が逮捕された。懲役6年の実刑判決が下っており、彼女は現在も服役中だ。
島根県出身の山田社長は神奈川県の大学を卒業後、1973年にてるみくらぶの前進である「アイ・トランスポート」に創業と同時に入社。当初から高い功績をあげていたという。
「彼女が容姿端麗だったこともあり周囲の評判もよく、26歳で役員、31歳で社長にまでのぼり詰めました。そして82年には、後にトランスポートから分社化する、てるみくらぶの初代社長を任せられたのです。てるみくらぶでは、若者向けの海外パッケージツアーをインターネットで格安提供することで、急成長を遂げたのです」(旅行代理店関係者)
てるみくらぶは、航空会社から余った空席を安く購入して販売する手法を取り当時はボロ儲けしてたが、他社も続々と同様のサービスを始めたことや、航空機の小型化により余剰席が減少したことから、次第に事業は行き詰まっていった。
「LCCが次々に就航して格安航空券が普通に出回るようになるなか、パッケージツアー自体が人気を失っていきました。しかし、方針転換ができないまま赤字が膨れ上がり、破産申請時の負債は約151億円。粉飾決算により経営を続けていたことも明るみに出たのです」(週刊誌記者)
この自己破産により旅行に行けなくなってしまった利用者の中には芸能人も含まれ、メディアで連日のように取り上げられた。
「てるみくらぶが倒産した際、山田社長は会見の場に立ち涙ながらに謝罪しましたが、“ウソ泣きだ”と猛烈なバッシングを受けましたね。若いころから相当なヤリ手ではあったようですが、社長になってからは特にワンマンだったとも伝わっている。経営状態が悪化して以降も3000万円以上の社長報酬があったとも報じられており、被害者の怒りが収まるはずもありません」(夕刊紙記者)
十分に反省してもらいたいものだ。
(小林洋三)