東京都、大阪府、千葉県、埼玉県など11都府県に発令されていた緊急事態宣言。2月7日には北関東の栃木県が解除され、一時の緊迫状態から脱しつつあるが、関東圏のピンク産業は大打撃を受けたと言われている。
「やっぱりこの業界で“東京は怖い”っていうイメージは根強い。客にしても東京の店を避けて、わざわざ宇都宮とか川越とかに遠征しているし、東京の店はどこも閑古鳥が鳴いているから、女の子もなかなか稼げない。だからわざわざ北関東に出稼ぎに行く子も珍しくないんです」
こう話すのはピンク業界でスカウトに携わるA氏。その手のスカウトといえば、繁華街の街角に立って通行人女性に「いい仕事あるよ」と声をかけるのが定番だったが、そうした路上スカウトは鳴りを潜め、その“主戦場”は今やSNSだ。
「Twitterで『バイト募集』『1日2万円保証』『1週間で15万円確実』などと応募をかけると、1日に3、4人はDMで応募がきますね。東京都内のピンク産業は供給過多状態になっているので、お金に困った女の子を北関東の某エリアに派遣するんです。といっても、もちろん“裏”ですけどね。でも、女の子にとっては、住まいも提供されて、光熱費もタダ。ホームレス一歩手前の子は『今日からでも働きたい』と言ってきますよ」(前出・A氏)
驚くことに、派遣先はピンク店の事務所でもなければ、ホテルでもない。裏の業者が借り上げたウイークリーマンションだという。実際に2週間の派遣期間で30万円以上を稼いだというB子さん(23歳)によれば、
「場所は詳しくは言えませんが、北関東のとあるターミナル駅そばのウイークリーマンションに寝泊りしながら客を取らされていました。サービスは“最後まで”が基本で、なかには泊まっていくお客さんもいましたね。1週間も住むと、洗濯物が散らかったり、生活臭がしみついてしまうのですが、それがお客さんには好評みたいで、リピーターの人も何人かいましたよ。『恋人の家に遊びに来ているみたいだ』って。業者の人からは『あまり外出しないように』と言われていたのですが、食事はデリバリーで手配してくれたので、ほとんどお金を使うこともなかったです」
B子さんが出稼ぎの裏バイトで稼いだ金は、ほぼ手つかずで東京に持ち帰ることができた。滞納していた家賃の支払いにあてて、どうにかホームレスにならずに済んだようだが、B子さんは「今はパパ活も下火になってるし、お金がなくなったらまた行きたい」と語る。だが、前出のスカウトマンA氏はこう言って警鐘を鳴らす。
「もちろんウイークリーマンションの規約では部外者の入室は原則NG。あまり派手に人が出入りしているとなれば、当然、管理会社から警察に連絡が行くかもしれない。ガサ入れに出くわすリスクもゼロではありません。基本的に業者は2週間か3週間で場所を変えているようですが、“店舗移転”の直前には、本番行為をネタに悪質な美人局をしかけてくる悪徳業者もいるそうです」
働く側も利用する側も、うまい話にはウラがあることを知っておいたほうがよさそうだ。
(平沼エコー)
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