小林よしのり「新型コロナのデタラメ」全て暴く【前編】コロナ死の水増しも

 新型コロナパニックの猛威を前に、かねてから「経済のほうが命より重い」と言い続けてきたのは、漫画家・小林よしのり氏である。この間、政府の方針、あるいは専門家の提言によって、ウイルスと日本人の生活がどう変容したかは、国民みなが知るところ。そのデタラメの舞台裏を全て暴いてもらった。

 菅義偉総理(72)がGoToトラベルキャンペーンの全国一斉一時停止を発表したのは、昨年12月14日だった。これで年末年始に大きな期待を寄せていた旅行業界や飲食業界の、一縷の望みが絶たれることに。

「まずGoToトラベルキャンペーンの一時停止については、ひと言で言うと、ヘタレだなぁと。支持率が急落してマズイと思ったのだろうけど、結局、菅総理は国民を見ているのではなく、政権維持しか考えていないことが見透かされてしまった。わしはずっと、経済のほうが大事と言い続けてきたが、これで年末年始の人の流れが止まり、失業、廃業、倒産、雇い止め、自死‥‥と、とてつもない数の人たちが苦しむことになった」

 小林氏はかねてから、新型コロナウイルスはインフルエンザの足元にも及ばない「弱毒性」な「珍コロ」と主張し続けてきた。

「日本におけるインフルエンザの感染者数は例年1000万人。これを365日で割ると、1日あたり3万人になる。ただ、これは正確には感染者ではなく、病院でインフルと診断された発症者の数。わしのように病院に行かず自宅で治す人も、おそらく同数はいるはず。そうなれば2000万人になる。しかもインフルは無症状の場合が多く、それを入れると1年で3000万人は感染していると考えられる。だから流行が始まって集団免疫ができれば収まってしまう。一方、コロナの感染者数は昨年12月の時点で、日本では約20万人、死者は約3000人。ただ、この3000人というのは心不全で死んでも、ガンで死んでも、死んだあとに陽性反応が出た場合、全てコロナ死としてカウントされている。つまり、コロナで直接死んだ人なんて半分もいないはず。結局、ものすごい水増しが行われているということなんです」

 とはいえ、スーパーコンピューターによるシミュレーション映像を見れば、飛沫だけでなく、空気感染による恐ろしさが喧伝されているが、

「実は今の議論は、ウイルスを語るうえで欠かせない『数の視点』が丸ごと抜け落ちているんです。京都大学の宮沢孝幸准教授(ウイルス・再生医科学研究所)によれば、新型コロナは『数で勝負するウイルス』であり、感染成立のためには少なくとも1万個のウイルスを浴びなければならないのだとか。つまり、そう簡単に感染は起きないということ。じゃなければ、とっくに通勤電車やバスの中で爆発的な感染が起こっているはず。すなわち、普通の状況では空気感染などしないのです」

 しかし、海外では7600万人以上が感染し、168万人が死亡している(20年12月20日現在)のも事実。相変わらず、専門家の中には「このまま手をこまねいてたら、日本にも同様のことが起こる」といった声も少なくない。

「よく欧米ではこうだから、日本でもいずれこうなる、といったロジックがあるけど、じゃあ、どうして日本人はさほど死んでいないのか。それは、日本人が欧米とはまったく違う風習を持った人種だからです。日本人は衛生観念が強く、ハグやキスをする文化がない。歴史的にも幾度となく疫病が流行したことで、日本人の自然免疫は強化され、獲得免疫も過去のウイルスを記録しているため、集団免疫ができている。加えてBCG接種が自然免疫を強化した可能性もある。それらの要素がうまく絡み合い、諸外国に比べて死亡者を少なく抑える要因になっている。本当はそれを知らせるべきでしょう」

 さらに、今年は新型コロナ感染拡大の影響もあり、インフルエンザの感染者数は383人(20年12月20日現在)と、例年のわずか0.5%以下に抑えられている。

「これはウイルス干渉といって、ウイルス感染で自然免疫が誘導され、他のウイルスに感染しづらくなっているから。先に細胞の受容体を占領してしまうと、あとから来るやつは入れなくなってしまうんですね。優しいコロナのおかげで、凶暴なインフルエンザが侵入できなくなってしまった。だからツインデミックにはならない。そういう意味では、我々はコロナに感謝しないといけないんです(笑)」

 インフルエンザは毎年、老若男女問わず、その命を奪っているが、新型コロナによる子供や若者の死者は極めて少ない。そこが新型コロナとインフルのいちばんの差だと、小林氏は力説する。

「インフルエンザは大人だろうが子供だろうが、無差別に殺していく。でも新型コロナで亡くなった若者は、力士の男性ともうひとり。あとは死んでいない。つまり新型コロナは、子供を殺さないすばらしいウイルスと言えます(笑)。わしはなんていいやつが現れたんだろう、と思っているくらいです。だからこそ、必要以上に感染を怖がってもしかたがない。ふだんから自分の自然免疫や獲得免疫で鍛えておき、かかったらかかったで、自力で治せばいい。で、運が悪かったら死ぬ、ただそれだけのこと。それはインフルにしても、他のウイルス系の病気にしても、みな同じことです。免疫力が下がればウイルスに感染しやすくなる。だから、ふだんからストレスをためない生活を心がけるしかありません」

「弱毒」で「感染しにくく」、なおかつ「子供を殺さない」にもかかわらず、PCR検査で陽性者をあぶり出し、「指定感染症」(感染した場合の入院勧告、従わない場合の強制入院や就業制限などの措置が取られる)として、症状がなくても「隔離」。それにより「医療崩壊」の危機が迫っている。小林氏はそれが今、日本が置かれている現状だという。

「だから現場の医師の7割以上は『指定感染症から外すべきだ』と訴えています。ところが『経済より命を守れ』といった連中が不安をあおり、その結果、軽症患者まで感染症法に基づいてベッドに寝かせる状態を作り出している。それがコロナパニックの最大の問題と言えます」

 現場の声は政府に届くのだろうか。

※「週刊アサヒ芸能」1月14日号より/【後編】に続く

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