一時はテレビで見かけない日がないほどの大ブレイクを果たした一発屋芸人たち。しばらくすると賞味期限が切れたのかメディアからフェイドアウトしていく者も多いが、ダンディ坂野や小島よしおのように息の長い活躍を見せる者もいる。
今から15年前、「チクショー!」と叫ぶネタで一世を風靡したコウメ太夫も当時は「来年には消える」と言われながらもしぶとく生き残っている芸人のひとり。しかも、白塗りの花魁姿という風貌や芸風は現在も変わらない。
そんな彼は芸人以外にアパートの大家という顔を持つ。ブレイク時に激増したギャラを散財せず、芸人の収入が減ったときに備えてアパートを一棟買い。テレビや雑誌の取材でもたびたび語っており、芸人らしからぬ堅実なライフスタイルは一般人の共感を集めている。
アパートの具体的な場所は不明だが、過去のインタビュー記事を確認すると、最寄り駅が都心からほど近いS駅であることを明かしている。その記事には建物の外観写真も載っていたため、それを手がかりに調べたところ、駅から4〜5分の住宅街の一角に発見。木造2階建ての6戸の小さなアパートだが、洒落た外観で築10年以上とは思えないほどキレイだった。
アパート投資について以前本人に取材した雑誌記者によると、物件は09年に約5000万円で購入。管理会社の手数料などを引いた家賃収入は月25万円になるという。
「部屋はロフト付きとなしの2種類のワンルームがあり、家賃は6万円前後で同じ地域の似た条件の物件に比べると5000円〜1万円は安い。オートロックやエアコン、ネット回線完備でバス・トイレ別。空きが出てもすぐに埋まってしまうほどの人気の好物件で、今は物件の価値が6000万円以上になっているそうです」(前出・雑誌記者)
首都圏の賃貸住宅の空室率は増加傾向にあり、コロナ禍でさらに拡大している。不動産投資家にとって一層厳しい状況になっているが、その中で安定した収益を得ているコウメ太夫は、「チクショー!」とは真逆を行く勝ち組と言えるかもしれない。