年末も押し迫り、各テレビ局の番組表が大型特番で目白押しになるなか、12月23日に放送された「水曜日のダウンタウン」(TBS系)の企画に「特番並みのコスト」がかかっていると驚きの声が出ているようだ。
この日は「あるあるネタ『ある』とは言いながらも、実際に探すとなったら困難説」を検証。まずは6人の芸人を集めたニセ番組で“あるあるネタ”を出させ、それを本人たちに実証させてポイントを競うというものだった。
ここで集められたのはM-1グランプリ2020優勝の「マヂカルラブリー」から野田クリスタル、「コロコロチキチキペッパーズ」のナダル、「空気階段」の鈴木もぐら、「霜降り明星」のせいや、そしてレイザーラモンRGとコウメ太夫。コウメ太夫はともかく他の5人はお笑い番組で引く手あまたの人気者ばかりだ。
「彼らを丸一日拘束したうえでニセ番組のMCにバカリズムをもってきた顔ぶれは、3時間特番も作れそうな陣容。このキャスティングだけでも驚きなのに、6人が街に出てあるあるネタを検証する場面では、全員にそれぞれロケバスが用意されていたのですから、どれだけ贅沢な企画なのかと驚きを隠せません」(テレビ誌ライター)
芸人たちは午前中にニセ番組を収録し、正午から午後10時までをあるあるネタの検証に費やしていた。その間、6台のロケバスと6組の番組スタッフが各芸人に密着して収録を進めていたのである。昨今のコスト事情から、不安視する声があがるのも当然かもしれない。
「各局が経費削減を進めるなか、車両とドライバーを占有するロケバスは高コストの象徴であり、まっさきに削られていたもの。それを6台も投入した同企画はまさに『コスト度外視』と言えそうです。また番組スタッフもコスト削減の対象ですが、今回のロケは6人同時並行で行われたのでスタッフを減らす余地がなく、これまたコスト度外視の企画となっていました。かつてテレビ局は湯水のごとく制作費を費やすことで面白い番組を作っていたものですが、『水ダウ』にはその文化を受け継ぐ余裕があるということなのでしょう」(前出・テレビ誌ライター)
結果として「車止めの上部分を撫でまわすヤツ」という“あるあるネタ”を発見したマヂカルラブリー・野田が逆転優勝を果たした今回の「水ダウ」。話題性と視聴率が高コストを正当化する最大の根拠であることは間違いなさそうだ。
(北野大知)