QRコードみくじ、センサー参拝…コロナ禍で激変する年末年始の風物詩

「毎年1月10日に約5000人が先を争って境内を駆け抜けることで有名な、『えべっさん』こと兵庫県・西宮神社の福男選びですが、当初は抽選で80人に絞って開催される予定だったところ、12月16日に中止が発表されました。年末年始のお馴染みの行事としては、毎年東京ドームで行われているジャニーズのカウントダウン・ライブも今年は取り止めで、所属アーティストが様々な場所から出演するリモートのような番組になりそうです」(週刊誌記者)

 この他にも、1992年から行われている長崎のハウステンボスの年越しイベントも中止。神事の福男つながりで言えば、まわし一丁の男が狭いスペースにひしめき合って宝木争奪戦を行う岡山県の「西大寺会陽」。2月20日と先のことながら、例年のような“肉弾戦”ではなく、福引によって宝木を奪い合うという新形式への変更が発表された。

 コロナの本格的な第3波到来にGoToトラベルの中止もあって、年末年始の帰省や旅行需要はガクっと減って、その分、近場での初詣などに需要が流れることが予想されるが、これを受け入れる全国各地の寺社仏閣もクラスターの発生源となってしまえば霊験あらたかさも失われてしまうとあって、対応に大わらわ、様々な工夫が凝らされているようだ。

「例えば都内の湯島天神では正月を前に『幸先詣』として、12月上旬から破魔矢やお札などの縁起物の販売が行われています」(前出・週刊誌記者)

 湯島天神は学問の神様として名高く、毎年多くの受験生が合格祈願で訪れることで有名。だが、感染拡大が長引けば受験もどうなるかは不透明。境内を訪れる学生もさぞかし不安なのではないか。

 湯島天神のようには「分散参拝」型の対応を行う寺社仏閣はほかにもあるが、京都の八坂神社では鈴緒を撤去し、代わりにセンサーに手をかざすとスピーカーから鈴の音が鳴る参拝装置を設置。手を媒介とした接触感染を防ぐ「テクノロジー」型対策だ。ほかにも、スマホでコードを読み取る「QRコードおみくじ」を導入した神社もあって、こちらはさらに進んだ「IT」型とでも言うか。

 いずれにせよ、年末年始の人気神社への参拝は「密」になりやすいので、関係者の困惑が伺える。前述の京都・八坂神社は、新型装置がかえって過剰な人寄せを招きかねないと、新年は撤去することも検討しているというからなんとも厄介な話だ。

(猫間滋)

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