巨人「梶谷獲得」で流出する人的補償は?小林誠司に“プロテクト漏れ”の憶測

 巨人のプロテクト名簿作りは、時間が掛かりそうだ。12月16日、大城卓三捕手(27)が契約更改に臨み、1000万円増の年俸4500万円(推定)でサインした(12月16日)。大城のブレイクを引き寄せたアクシデントが、開幕直後の“正捕手”小林誠司(31)の故障離脱。大城はその穴を補って余りある活躍をおさめたわけだが、それがプロテクト名簿にも影響してきた。

「梶谷隆幸外野手(32)をFA獲得しました。人的補償も発生するBランク選手なので、旧在籍チームのDeNA側にプロテクト名簿を提出しなければなりません」(スポーツ紙記者)

 梶谷が巨人選手として公示されたのは、入団会見も行われた12月14日。2週間以内に28人のプロテクト名簿を提出しなければならならない。その名簿作りだが、大城の活躍も影響しているのだろう。一人でも多くの若手を名簿入りさせるため、「小林が外れるのではないか」といった予想もされている。

「DeNAには好捕手が揃っています。伊藤光(31)、戸柱恭孝(30)、髙城俊人(27)、嶺井博希(29)といった布陣を考えると、わざわざ捕手は獲らないでしょう」(球界関係者)

 巨人とDeNAの心理戦、駆け引きである。今季、DeNAを牽引した平良拳太郎(25)は16−17年オフ、FA移籍による人的補償で巨人から引き抜いた投手である。巨人サイドからすれば、期待の若手を一本釣りされたくない。

 梶谷の移籍と同時に「DeNAには好打の外野手がいる。守備の巧い内野手か、足が使える選手を」「二軍を指揮した三浦大輔監督は、巨人の若手投手に目星をつけているはず」といった声も囁かれていた。

 小林はこれからも巨人にとって必要な戦力だ。しかし、1億円という推定年俸の高さからも、「DeNAは捕手を狙わない」の予想も間違ってはないようだ。

「いや、小林がプロテクトされないのなら、DeNAは獲りに行きますよ。DeNAは打線の強さがウリのチームですが、小林なら打てなくても、その分、強固なセンターラインが構築できて、守備面で貢献してくれます」(ベテラン記者)

 小林が移籍すれば、巨人投手陣の機密も流出してしまう。

 また、人的補償に関してDeNAは三浦監督に一任するといった情報も交錯している。投手出身なだけに守りの重要性は十分すぎるほどわかっているはずだ。

「三浦監督は梶谷、井納翔一(34)がFA宣言した当初から、戦力補強のことは表立って発言していません。狙いがわからないだけに不気味です」(前出・ベテラン記者)

 心理戦では三浦監督が一歩リードと言ってよさそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

スポーツ