営業時間が自治体によって異なるパチンコ店。閉店はほとんどが23時、一部で24時になっているが年に一度、ある県だけ大晦日の晩にオールナイトでの営業が許されている。
それは三重県。表向きの理由は「伊勢神宮の参拝客にトイレを貸す」ということになっているが、これはあくまで建前。意外と知られていないが、大きなお祭り期間中などにパチンコ店の深夜営業を認められている地域はほかにもある。それでも夜通しでの営業が認められているのは全国で唯一、12月31日の三重県だけだ。
もともと条例で定められた同県のパチンコ店の営業時間は9〜24時。しかし、大晦日はオールナイト営業になることで最大39時間という異例の長時間営業が可能なわけだ。
そのため、年末年始の三重県内のホールには全国からパチンコ・パチスロファンが集まり、31日朝の開店前から長い行列ができることも珍しくない。ただし、そんな大盛況ぶりの割には「オールナイト営業の日に勝つのは難しい」といった話も聞く。
「大晦日から元日は三重エリアのパチンコホールにとって最大の稼ぎ時。黙っていても普段以上の集客が期待できるため、スロットはどのホールもいつも以上に設定を下げています」
そう明かすのは、三重県内のパチンコ店従業員。雑誌や動画番組の企画で大晦日〜元日に現地で実戦するパチンコライターもいるが、トータルで負けというケースが多いようだ。
閉店時間を気にせず遊べることもあり、「出していたのに全部飲まれてしまったり、長居して10万円以上の大負けを食らったなんて話もよく聞く。自分も実際に経験している」とは地元の愛好家。訪れる客もそのへんのことは承知の上らしく、財布には普段以上に多額の軍資金を入れてくる者は多いそうだ。
ギャンブルに興味のない人間には理解できないかもしれないが、「夜中にパチンコやパチスロができるのは楽しい」とは毎年大阪から通っているというパチンコファン。
気持ちは理解できるが、大負けして最悪の正月を迎えるのは避けたいところ。遊ぶにしてもほどほどにしておいたほうがよさそうだ。
(トシタカマサ)