コロナ禍につけこむ「霊感商法」の闇手口!「家系図講演会」で2100万円の被害に

 将来への不安や恐怖につけ込んで“洗脳”した信者から財産を巻き上げるカルト教団や霊感商法。コロナ禍のゴタゴタにまぎれるかのように、水面下で勢力を拡大しているという。驚愕の勧誘実態を調査すると……。

 標的は若者ばかりとは限らない。社会経験豊富で、自分だけは大丈夫と思っている中高年でも、意外なアプローチで籠絡されるケースが後を絶たないのだ。

 とりわけ、今年2月に国内で大量のコロナ感染者が報告されていた韓国で、6000組ものカップルを集めた「合同結婚式」を行った世界平和統一家庭連合(旧「統一教会」)はいまだに全国で霊感商法を続け、中高年をターゲットにした訪問販売などで、多額の金を巻き上げているのだ。全国霊感商法対策弁護士連絡会事務局長の山口広弁護士が闇手口を告発する。

「中高年に多いのは『家系図を見て先祖を大切にしよう』と『家系図講演会』などに誘い込む手法です。母方や父方の家系図を見ながら、先祖の中で財産、色情、殺傷のどれかの因縁を抱えて亡くなった人は永遠に地獄で苦しんでいる。地上の子孫に気づいて救ってほしくて、交通事故や病気、不貞など問題を起こすのだと言います。それをなんとかしたいのであれば『天の蔵に富を積みなさい』という説得をして、大金を献金させるんです」

 被害者の中には、2100万円もの大金を支払ってしまった高齢女性もいたとか。法外な値段で壺などを売りつける、かつての霊感商法のような「押し売り」ではなく、

「70万、120万、210万の中でどれにしますか?」

 と、あくまで被害者が自主的に、金や労働力を差し出したかのように仕向けるのが、昔も今も変わらないカルト教団の特徴だという。カルト教団に詳しいジャーナリストの藤倉善郎氏が解説する。

「カルトの被害は霊感商法(グッズなどの販売)だけではなく、献金(お布施)による金銭収奪や教団活動への奉仕など(勧誘活動も)といった労働力の収奪、性的収奪、虐待など、さまざまなものがあります。その中で、この文脈で一例となっている摂理については、高額な金銭被害は報告されておらず、偽装勧誘と教祖による性的暴力・性ハラが主な問題になっています。そして最近のカルト教団の傾向としては、誘い文句が上手で命令や強制ではなく『提案する』形で、被害者に近づくのが特徴です。結果的には、退路を断って追い込まれて入信せざるをえなくなるわけですが、あくまで入信するのは自己判断・自己責任。しかも宗教にこれまで縁のなかった人でもマインドコントロールの型にはめられてしまえば、かえって狂信的な信者になってしまうことも。それほど注意が必要です」

 自分だけは大丈夫という油断に「コロナとカルト」はつけ込んでくるのだ。

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