「2020年上半期インスタ流行語大賞」流行語部門1位に選ばれ、若者たちを中心に人気となっているiOSの絵文字『ぴえん』の商標登録がアパレル会社によって出願されていたことが明らかとなり、ネット上では《え？ぴえんが使えなくなるの？》《ぴえんシャツが発売されたら買うかも…だけどお金儲けに利用されるのは納得いかない》《なんでもかんでも商標登録する風潮なんとかならない？》などと物議をかもしているようだ。
「ぴえんの商標を出願したのはアパレル会社『ブランチ・アウト』で、『JCASTニュース』の取材に対し同社は『卸先より、本件商標に関して商品化の依頼がありました。当社としては権利が不明なものに関して、商品化が出来ないという見解でおりますので、権利を確認した上で、商標登録出願に至っております』と経緯を説明しています。なお、同社はカバン類や履物などの商品に対して登録をおこなっていますが、この他にもすでに玩具メーカーが『ぴえん』の文字商標を、化粧品会社が『ぴえんアイ』なるメイク法の文字商標を出願しています」（ITジャーナリスト）
流行したものの商標を発信元とは無関係と思われる企業や個人が登録してしまい、問題となるケースはこれまでも数多くあった。
「『大迫半端ないって』や『そだねー』の商標登録が出願され話題となりましたが、最も世間を驚かせたのは『PPAP』でしょう。『PPAP』はピコ太郎がユーチューブにアップして大ヒットした曲のタイトルですが、ピコ太郎とはまったく無関係な大阪の企業が商標登録を出願し、グッズなどが制作できない状態になってしまったのです。その後、この出願は認められず、ピコ太郎が所属するエイベックスが商標登録をすることに成功しましたが、こうした早い者勝ちのような商標登録の出願を取り締まる法律はないため、あとを絶たないのが現状です」（エンタメ誌ライター）
自分が何か発信する際には、大袈裟ではなく商標登録についても頭に入れておいたほうがいいかもしれない。
（小林洋三）
