「ハズレ馬券がヤフオクで売られているらしい」と、ギャンブル好きの記者。しかし、売れる理由が分からないようで、確定申告でハズレ馬券を経費として認めてくれるから? でも、それってソフトで大規模に馬券を購入している連中だけだし…と思ったりする。
確かにその通りで、普通に競馬を楽しんで万馬券を当てた場合は、税務上は「一時所得」扱いとなり、ハズレ馬券は経費として認められない。しかも、会計検査院調べでは、2015年に公営ギャンブルで1回に1050万円の払戻金があった約530口のうち、申告があったのは約40数件。実に、9割の人が税金を払っていないのだ。
節税目的でハズレ馬券を買いあさる金持ちは少ないのに、なぜ売れるのか。ヤフオクをのぞいてみると、その理由も分かってくる。
例えば、14万1000円の超高値で落札されたハズレ馬券がある。それは三冠馬、ナリタブライアンのデビュー戦(1993年)の単勝馬券で、100円が141倍の価値を生んでいる。また、大きなレース単勝馬券(100円)の全頭セットなども落札されている。
つまり、競馬をギャンブルとしてではなく、スポーツとして愛しているファンが、記念としてハズレ馬券を欲しがっているのだ。現に、GⅠレースなどの「的中馬券」が数多く出品され、払戻金を受け取らずに残した記念品として高値をつけている。カネしか目にない本誌ギャンブル好き記者がハズレ馬券の価値に気づかないのは当然なのだ。