V逸の理由は“集団離脱”にあらず!? 千葉ロッテ「主力帰還」で大失速のナゼ

 チームとは、まさに“生きもの”なのだ。

 10月28日、埼玉西武が先発・浜屋、リリーバー・宮川の新人継投で千葉ロッテに快勝した。深刻なのは、敗れた千葉ロッテだ。福岡ソフトバンクは前日27日にリーグ優勝を決めており、日本シリーズに進出するにはクライマックスシリーズで勝つしかない。しかし、西武戦に敗れ、そのCS進出も危うくなってきたのだ。

「今季、ロッテは球団創設70周年。順調に首位戦線を戦い、シーズン途中で澤村拓一、終盤戦に備えてチェン・ウェインを緊急補強するなどし、フロントも一丸となって優勝を目指していたんですが…」(スポーツ紙記者)

 天王山の10月に失速した原因は、新型コロナウイルスに“集団感染”し、主力選手を喪失した戦力ダウンとされている。緊急昇格した藤原恭大らが奮闘し、首位にゲーム差ナシまで縮めたが、失速してしまった。だが、単純に「主力選手の離脱が敗因」とは言い切れないようだ。

「感染した岩下大輝投手、清田育宏外野手、荻野貴司外野手らが順次一軍に合流すると決まったのが、10月15日。若手が緊急召集されると、主力である彼らが帰還するのは、同じ一軍合流でも意味が違う」(球界関係者)

 その15日以降だが、2勝7敗。主力帰還はチームの士気を高めたものの、勝利には結びつかなかった。

「彼らの感染が発覚したのは10月7日。わずか1週間ですが、藤原らが健闘している間、チームの様相も少し変わりました」(前出・球界関係者)

 つまり、代役で抜てきされた選手たちが頑張り、離脱前と異なる雰囲気になったそうだ。その健闘が、わずかではあるが、チームの空気を変え、再合流した主力たちといまいち噛み合わなかったという。

「主力選手が怪我で離脱し、復帰したときに同じチーム、同じメンバーとやっているのに違和感を持つ話は、実は、プロ野球の世界ではよくあることなんです」(前出・球界関係者)

 チーム競技ゆえの違和感とも言えそうだ。10月29日試合終了時点で3位埼玉西武とのゲーム差は「1」。伝統的に短期決戦に強いチームなので、千葉ロッテにとっては、まさに正念場。ソフトバンクもCSの相手チームがどこになるのか、気にしているそうだ。ソフトバンクは埼玉西武との直接対決には勝ち越しているが、千葉ロッテには負け越している。もうひと踏ん張りすれば、日本シリーズ進出は「ロッテ優勢」となるのだが…。

(スポーツライター・飯山満)

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