大地震の予兆、炭疽菌テロ…「横浜異臭騒ぎ」の原因解明が一刻を争うワケ

 今年5月に始まった神奈川県三浦半島での異臭騒ぎ。8月、9月には横須賀でも同様の騒動があったが、12日、ついに菅義偉総理の自宅マンションがある横浜でも、午後4時半ごろJR横浜駅周辺で「ガス臭い」といった通報が消防に相次ぎ、午後7時半過ぎまでに市内で16件の通報があった。

 翌13日、横浜市は会見で「採取した空気の分析を進めたところ、ガソリン等の燃料の蒸発ガスに含まれるイソペンタンやペンタン、ブタンといったものが、通常の大気中に比べて高い濃度で検出され、化学製品の原材料や物を燃焼した際に発生するエチレンやアセチレンも検出された」と発表。「異臭の発生源は現時点では不明だが、直ちに健康に影響を及ぼすことはない」と付け加えた。

 とはいえ、最初の異臭騒ぎから5カ月を経ての分析結果にSNS上では、

《健康に被害があるかどうかも大事だけど、爆発の危険性とか諸々含めて怖い。これだけ技術が進んだ世の中で、原因を突き止めれないのが怖い》《可燃性のガスだと爆発の恐れもあるので早急に調べる必要があると思います》《横浜市だけでは能力的にも、知識的にも限られるだろうから、分析結果を公開して、日本全国の研究機関から、原因と成り得る現象に関する情報提供を募るべきだろう》

 と、不安を取り除けないことからくる、いら立ちコメントが大半を占め、「関東大震災が起きる直前にも、三浦半島でへんな臭いがした」等の噂があることから、

《もし異臭が地中や海中から溢れ出ているなら何かのサインのはず》《異臭騒ぎの間隔が短くなってきているのは、海溝型大地震が発生する予兆だろう》という「巨大地震の前兆説」も浮上。その一方では、工業地帯という場所柄もあり、

《一昔前は産廃とか、ヤバイ物質は『埋めちゃえ埋めちゃえ』が基本路線。露呈するのは何世代も後で『どうせ俺生きてねーよ(現場責任者)』が当たり前の時代。なんかの弾み(大雨〜台風等)でゆるんだ地盤からプシュー……かな》《大手ゼネコンや地元の大物政治家も絡むから真実は永遠に闇の中ですね》《切羽詰まった業者が違法な処理をしていたせいかも》といった「不法投棄説」も多かった。

「三浦半島は活断層がむき出しになっているため、火山灰の地層がないぶんそこに圧力がかかると、岩石が割れる前の臭いが地表まで上がりやすく、群発地震や地殻変動のような異常が起こる際は、異臭が起こる。それが大地震説の根拠のようですが、専門家に言わせれば、その場合ピンポイントではなく、ガスはもっと広範囲に広がるはずだとか。また、東京湾の不正投棄説についても、だったら、なぜ部分的に異臭が発生しているのかが疑問です。神奈川県内で報告があった異臭には、『ゴムの臭い』『ガスの臭い』『ニンニク臭』『硫黄の臭い』と4種類あり、発生源がひとつだけではない可能性もあるため、原因特定にはまだ時間がかかりそうですね」(地元紙記者)

 そんなこともあって、ついにはオウム真理教による「炭疽菌テロ未遂事件」を引き合いに出し、《住民が異臭に気付いて、消防や警察に情報が伝わり、何分後に、消防や警察が現場にやってくるのか?また、その時の人数は?何処の所属か?集まった野次馬の数など…チェックしてる人物が居たら要注意!テロの予行演習では無いことを祈ります》《20年以上前、亀戸に住んでいた時に生臭いような硫黄のような、とにかく嫌なにおいが街に充満していた。後でわかったことだが、においの正体は、オウムの亀戸道場で炭疽菌(結果的には失敗作)を噴霧していた、そのにおいだった。炭疽菌作りが成功していたら死んでいたのかも?》

 といったテロ説まで飛び出す始末。

「この異臭騒ぎで厄介なのは、通報があってから消防が到着した時には、すでに匂いが消えているという点。そのため、これまでは正体がなかなかつかめなかったんです。12日、ようやく横浜市消防局の職員が消防局4階の渡り廊下で異臭のする空気を採取することに成功したんですが、さすがに総理のお膝元で騒動が起こり、手をこまねいているわけにはいきませんからね。皆さん、気合が入ったということかもしれませんね」(前出・地元紙記者)

 その昔、「クサいにおいは元から立たなきゃダメ」というCMもあったが、何はともあれ、一日も早い原因究明を望むばかりだ。

(灯倫太郎)

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