経営難にあえぐローカル線「銚子電気鉄道」の竹本勝紀社長が「デイリー新潮」の取材に、ZOZOの創業者でお金配りおじさんとも呼ばれる実業家の前澤友作氏に、経営への参画を願い出ていたことを明らかにしたことで、前澤氏からはツイッターで批判され、ネット上でも厳しい意見が殺到している。
「銚子電鉄は長年にわたり経営不振に陥り、赤字の穴埋めとして立ち上げた食品事業で『濡れせんべい』が大ヒット。その後も『うまい棒』のパロディ商品『まずい棒』を販売して100万本の売上を突破するなど赤字削減に大きく貢献しましたが、昨年9月の令和元年房総半島台風やコロナの影響で再び経営は大きく傾いてしまったのです」(社会部記者)
この状況に竹本社長は前澤氏の父親経由で「いま当社は非常に厳しい状況にあります。甚だ身勝手なお願いではございますが、是非とも経営にご参画していただけないでしょうか」との手紙を渡し前澤氏に支援を要請したという。しかし、それを竹本社長から聞いたという新聞記者が地方のラジオ番組で喋ってしまい、「デイリー新潮」が取材に出向く流れになったようだ。
10月12日配信の「デイリー新潮」の記事によれば、すでに前澤氏の父親は、当人へ「手紙の写メ」を送信したようだが、銚子電鉄の名物社長のもとにはFacebook経由で“ニセ前澤”と思われる人物から友達申請が届いたのみ。いまだ“本物”からのリアクションはないという。
この記事を受け、前澤氏はツイッター上で、
「『経営に参加してほしい』ってそんな簡単な話じゃない。こちらの立場や考えなど何も知らぬまま、一方的にラジオで関係した人のことまでペラペラとお話しされてしまうような情報管理や企業体質そのものに問題があると思います。必死なのは分かりますが。。。」と批判的な態度を示した。
そして、これにはネット上でも《前澤さん本人じゃなく父親に手紙を渡したり、資金援助じゃなく経営参画を提案したり、そのことを勝手に喋ってしまったり、断られないように外堀を埋めてる感じが最高にダサい》《こんなの前澤氏からすれば単に金を無心されているとしか思えないだろう》《経営参画の依頼を親父経由で手紙を渡すなんて、そもそも失礼だしナメてる》《正直に「金くれ!」って言った方がまだ清々しいわ》など厳しい意見が殺到している。
「2000円億以上の資産を持つ前澤氏は千葉県出身で、房総半島台風の復興のために多額の義援金を寄付しており、また10億円を10人の起業家に投資する前澤ファンドを設立して投資活動をおこなっているので、竹本社長はあわよくば前澤氏から資金援助を受けられればという打算があったように思えますね。もし断られたとしても今回記事になったことで自虐ネタにもできる。ただ、さすがに今回のやり方には前澤氏を含め多くの人がドン引きしてしまったようです」(ITジャーナリスト)
銚子電鉄といえば、竹本社長が音頭をとって製作されたカルト映画「映画を止めるな!」が各地で上映されるなど、何かと話題になっているが…。
「クラウドファンディングで製作費500万円をかき集めたのですが、社長のこだわりで製作コストがどんどん膨らんで、結果的にさらなる借金を重ねてしまったことを竹本社長みずからテレビ番組で明かして不評を買っていました」(経済誌記者)
経営者としては、やはり“本業”の足元を固めるのが先決かもしれない。
(小林洋三)