9月28日、共同購入型クーポンサイト大手「グルーポン」(本社:アメリカ)の日本法人「グルーポン・ジャパン」が、日本市場から撤退すると発表した。同社は2010年に日本進出を果たしたものの、翌年の正月には写真とまったく違う商品が届きトラブルとなった「スカスカおせち事件」で一躍話題となった。
「グルーポン・ジャパンによれば、クーポンは28日に販売を終了したといいます。すでに購入済みで有効期限内のクーポンは今年12月27日まで使用が可能で、有効期限がそれ以降まであるものは『すべての支払義務を履行いたします。また、できる限り円滑かつ効果的に、皆様と協働してこの度の手続きを進めてまいります』と、返金に応じると説明しています」(社会部記者)
グルーポンが参入した頃からブームとなった、クーポンサイト。「何時までに何人が購入すれば、商品が割引価格で購入できる」というフラッシュマーケティングを用いて大人気となったが、一時は100以上あったクーポンサイトも次々と閉鎖し、今ではほとんど見かけることがなくなってしまった。
「そもそもクーポンサイトは、ユーザーが格安のクーポンを発見して参加するという面白さがあり、店側にとっては商品を試してもらえることで新規顧客獲得につながるというメリットがありました。しかし、次第にただ安いものだけを求める固定のユーザーしか集まらなくなり、出店側にメリットがほとんどなくなってしまったのです。この状況は決して日本だけではなく、グルーポンなどは本国アメリカでも大苦戦しており、株価は最盛期の1割にまで落ち込んでいます。結局、フラッシュマーケティングという手法が一過性のブームで終焉を迎えたというのが実情でしょう」(経済ジャーナリスト)
スカスカおせち事件がなくとも、クーポンサイトは廃れていたのかもしれない。
(小林洋三)
※写真はイメージです