「無事に終わったと思ったら、もう来年の準備ですからね。今年は上からのプレッシャーでなんとか乗り切ったものの、このコロナ禍でまともな企画や長期の密着モノなんて考えられませんよ。今年の4月から6月にかけては、前年比で2割近い減収になって騒いでいるようですけど、現場スタッフは番組制作費を大幅カットされて疲弊しきっています。地球を救う前に、我々テレビマンにも救いの手を差し伸べてほしい」
こう話すのは日本テレビの番組スタッフだ。8月22日から23日に放送された「24時間テレビ43 愛は地球を救う」は、平均視聴率15.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録したが、早くも来年の「24時間テレビ」放送に向けて動き出しているという。
今年はコロナ対策として無観客で放送され、シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子や女優・土屋太鳳らが参加した「募金ラン」や今年3月に亡くなった志村けんさんを題材にしたスペシャルドラマ「誰も知らない志村けん」などさまざまな企画が催されたが、平均視聴率は歴代19位という結果に。
それでも、かねてから今年の「24時間テレビ」の放送に意欲をみせていた小杉善信社長をはじめとする上層部は今年の放送を“大成功”と認識しているようだ。
「小杉社長はプロデューサー時代に『24時間テレビ』を立て直した功労者ということもあり、もともと同番組に対する思い入れが強いこともありますが、番組放送終了後は笑顔でスタッフと握手を交わすなど喜んでいたそうです」(前出・番組スタッフ)
もっとも、現場サイドの一部からは「正直、もうやりたくない」といった声も出ている。
「そもそも『24時間テレビ』については専属スタッフが少なく、各番組のスタッフが通常業務とは別にプラスアルファの力を注がなくてはいけないんです。とくに今年はコロナ禍の影響で前年までのフォーマットやマニュアルが一切通用しなかったうえ、例年以上にタイトなスケジュールを余儀なくされましたからね。オーバーワークを強いられたスタッフも少なくない。それに、スタッフを対象に直前に行ったPCR検査に関してもバタバタで費用もだいぶ掛かったようですしね」(前出・番組スタッフ)
同局上層部は今年の大成功(?)を受けて、すでに来年の放送に向けてハッパをかけているようだが、まずは現場の士気アップが不可欠のようである。