「コロナ禍の解雇や倒産などで、生活費にも事欠く困窮者を食い物にするような闇金が横行しています。給料日に入金予定の給与を債権として買い取り、法外な“利息”をむさぼる怪しい給与ファクタリング業者などが次々と生まれましたが、いずれの業者もSNSを活用しているというのが共通点。とくにツイッターを悪用した闇金業者には注意が必要。ネット上には被害者と思しき女性たちのマッパの写真が数多くアップされています」
こう語るのはアングラビジネスに詳しいジャーナリスト。彼によれば、Twitter闇金の被害者が急増しているという。《カンタン審査》《LINEでのやりとりで即日融資》《24時間受付》といった文句で客を募っては、法外な利息をむさぼるのがその手口だが、ターゲットになっているのが若い女性たちだ。前出のジャーナリストが被害実態を明かす。
「店をクビになったという20代の美容師さんは、フリーのヘアメイクとして活動しようと、Twitter上で仕事募集の告知を行っていましたが、ある日、DMに《生活費融通します》というメッセージが届いたんです。無収入でもすぐに10万円融資してくれるとのことで、審査について聞いたら必要なのは写真だけ。肌着もすべて脱いでマッパになった状態で、免許証を持った自撮り画像が担保になるとのこと。また、他人の写真でないことを証明するため、指定されたスポーツ新聞を購入して、フレームに収めるよう指示をされたとか。ちょうど公共料金の支払いも滞っていたのでマッパ写真と引き換えに10万円を借りたのですが、実際に振り込まれたのは“手数料”を引いた7万円。10日ごとに利息3万円を払わなければいけなくなったため、結果、借金は50万円近くにまでふくらんでしまったんです」
少しでも返済が滞ると、LINEにひっきりなしにメッセージが入る。ある日、朝に起きてスマホを覗くと、業者から《至急返済を》《写真をバラまくぞ》といったメッセージが100件以上入っていたという。身の危険を感じた20代の被害者女性は、司法書士が行う無料の法律相談に駆け込み、「債務不存在」の通知を送ってもらったことで、催促のメッセージはピタリと止んだが、今も眠れない日々を過ごしている。
「担保として差し出してしまった“マッパ写真”がどうしても気になるそうです。『もしかしたらバラまかれるんじゃないか』『免許証でフルネームも写ってるから怖くて再就職活動もできない』と不安を口にしていました。彼女は最初に7万円を受け取って、結果的に20万円近いお金を振り込んでいます。借金は“チャラ”になったものの、このモヤモヤと一生付き合っていかなければいけないと後悔していました」(前出・ジャーナリスト)
闇金に限らず、コロナ禍においては、人の弱みにつけいる悪徳業者が跋扈していることを肝に銘じておくべきかもしれない。
(平沼エコー)