コロナ感染者0人だった岩手県で、県内1例目が確認されたのは7月29日のこと。案の定、「コロナ狩り」が始まってしまう。
「感染者が勤務する事業所に、『クビにしたのか』『会社の指導に問題がある』など電話やメールが殺到。ホームページはアクセス集中で一時、閲覧不能になりました」(ITライター)
まるで犯罪者扱いでつるし上げられる中、お盆シーズンになってますますピリピリ度合いは増している。その標的は感染者が圧倒的に多く、イメージが悪い東京都民に向けられている。
8月上旬には墓参りのため、東京から青森市に帰省した男性のショッキングなニュースが報じられた。
「玄関先に紙が投げ込まれていて『さっさと帰ってください!!』『何を考えてるんですか?』など、匿名で手書きの文章がありました。男性は自主的にPCR検査を受けて陰性だったのですが、都民にとっては怖い話。それと心配なのは、複数のマスコミが報じる中、NHKと東奥日報は男性の実名を載せていたので、ネット上でさらに大炎上が起きないか、男性を心配する声が上がっていました」(ITライター)
他県同士の人間不信が強まっている最中、政府が押し切った観光支援策の「GoToトラベル」。それでも人気観光地の沖縄でさえ、客足は鈍かった。
「国際通りの人通りは、例年に比べれば寂しい。繁華街の松山も閑古鳥が鳴き、中国人オーナーの飲食店や土産物店が閉店して売りに出されることも増えてきました」(地元商店主)
さらに県民の間で「ある不穏な噂」が流れ、他の町にあまり移動しなくなっているとも。商店主が続ける。
「医師の話として、沖縄の新型コロナのタイプは2種類あって、米空軍嘉手納基地がある中部の嘉手納周辺では『米軍ウイルス』、客足が少ないとはいえ、観光客が訪れる南部の那覇市のものは『GoToウイルス』と呼ばれています。米軍ウイルスのほうが感染力も毒性も強いという情報が出回り、中部に行かないようにしています」
8月だけで沖縄はすでに900人以上の感染者数が確認され、ますますウイズ・コロナ生活が難しい状況に直面している。そのやさき、今度は中国から「新型ブニヤウイルス」が猛威を振るっているというニュースが飛び込んできた。
中国メディアによると、江蘇省南京市の60代女性が発熱、病院に行ったところ新型ブニヤウイルスが検出されたという。同じ病院で今年に入って37人の感染が確認され、安徽省では4月以降に23人が感染して5人が死亡、浙江省でも2人が死亡していた。
8月4日に日本のメディアも報じると、「第2のコロナ」が日本上陸かと、SNS上で不安の声が広がり始める。だが実際は、日本でも13年に国内で初めて病気が報告された「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」だった。
「ウイルスを保有するマダニにかまれることによって感染し、西日本を中心に報告が確認され、昨年の感染者数は100人に達しています。その致死率は6.3%から30%と高いのも特徴です」(医療ジャーナリスト)
人命を脅かすのはコロナだけではない。思わぬ危険も迫っているのだ。