“宮迫の側近”は裏方転身で大成功!? コロナ禍でも活躍する元・お笑い芸人たち

 昨春の吉本興業の闇営業問題で、ワイドショーに引っ張りダコとなった“事情通”がいる。かつて「ジャリズム」の芸名でコンビ活動をしていたインタビューマン山下だ(芸人時代は「オモロー山下」)。

 山下は、吉本が運営するタレント養成学校・NSC大阪校の10期生で、元相方は「世界のナベアツ」こと渡辺鐘(現在は落語家・桂三度)。10年に解散すると2年後、山下はピン芸人を続けながら、讃岐うどんをメインにした「山下本気うどん」を東京・目黒にオープンした(現在は渋谷区に移転)。先輩の雨上がり決死隊・宮迫博之と今田耕司からそれぞれ出店資金500万円を借り、わずか2年で完済。芸人仲間がPRしたことで、店の経営は軌道に乗った。

 そんな山下は17年に芸人を廃業。フリーランスの芸能記者に転向して、「女性自身」などで執筆。闇営業問題の際は、“恩人”宮迫を知る側近として、連日にわたって「直撃LIVEグッディ!」(フジテレビ系)にコメンテーターとして出演した。

「最近は、『週刊プレイボーイ』や有名雑誌・ウェブ媒体でもインタビュー原稿を発表している山下さん。肩書きはお笑いジャーナリスト、インタビュアーで、芸能界という派手な舞台を降りて裏方に転じて、そこそこ成功しています。このような元芸人の書き手は増えています」(週刊誌記者)

 同じく、吉本の元コンビ芸人で書く側に回ったのは、ハリガネロックのユウキロック。「M-1グランプリ2001」の準優勝コンビで、伝説のネタ番組「爆笑オンエアバトル」(NHK)の第4代チャンピオンでもある。スピード感があり、浪速のしゃべくり漫才として定評があっただけに、14年に解散したときは、多くの関西芸人が悔やんだ。

「ユウキは自著『芸人迷子』がスマッシュヒット。現在はピン芸人のかたわら、お笑い養成所の講師やネタ見せの担当作家、構成作家、ネタ作家など多くの肩書きを持ちます。所属は吉本のままですが、プロダクション人力舎、松竹芸能、ホリプロの育成スクールでも講師をしています」(前出・週刊誌記者)

 人力舎が運営するお笑い養成学校・スクールJCAの講師には、「R-1ぐらんぷり2008」のファイナリストだった大輪教授もいる。すでに表舞台から遠ざかっているが、漫才や漫談も機会があればこなすという。本業は、本名・大輪貴史による作家業。構成・放送作家、脚本家などで生計を立て、家族を養っている。

 このJCAの講師には、元人力舎所属のコンビ芸人、エレファントジョンの森枝天平もいる。こちらは、「THE MANZAI 2014」のファイナリスト。だが、漫才師としては花開くことなく解散。森枝は芸人を辞めて、裏方に転じた。元相方の加藤憲はピンで芸人を続けている。

 コロナ自粛が終わり、お笑いライブも徐々に再開。今後増える売れっ子芸人の単独ライブのスタッフクレジットに、元芸人作家がいることも珍しくないのだ。

(北村ともこ)

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