幻の名曲「つがざくら」に30万円の値が!物置に眠るカセットテープのお宝価格

 実家の屋根裏部屋や物置、納戸などの整理をしたときに、段ボールの中から出てくるものの“あるある”の一つが古いカセットテープ。昔のラジオ番組や子供の歌声、何気ない生活音などなど、家庭で録音されたものが多いだろうが、中にはプロの歌手がリリースした“お宝テープ”が紛れ込んでいるかもしれない。

 かつてCDが出現する以前、レコードの傍流的存在ではあるが、カセットテープで様々な音源が売られていた時代があったのだ。このカセットテープの中には、驚くほどの高額レア商品が混ざっている可能性があるという。ネットでのレア商品転売も幅広く行っている古物商店主に話を聞いた。

「レアなレコードに高額な値段がつくのは、誰でも考えるところかと思いますが、カセットテープというのは意外と盲点なんですよね。金型が必要なレコードと違って、ただ音源が録音してあるだけ…という意識がありますから。逆に言えば、当時もレコードより簡単に製作できたわけです。当然、アングラ的な商品もたくさん作られたわけで、その中には今となって激レアアイテムも少なからず存在するということになります。声優で歌手の水樹奈々さんが、13歳のときに本名の『××奈々』名義で発売された愛媛県新居浜市にある別子銅山のPRインディーズシングル『つがざくら』のカセットテープは、未開封のものには30万円近くの売値がつくこともあります」

 お宝化するのは、有名シンガーがブレイク前に出した名曲テープに限らない。

「1980年のアニメの黄金時代に出たアニメソングの中にも激レア化しているものがあります。例えば『銀牙 流れ星銀 ヒット曲集』は20万近くの売り値がつくことも。面白いのは、本家でなくマイナー歌手が歌っている、いわゆる“パチソン”も、今となってはレア度が出て、1万以上の値がついているものも多々あります。確かに販売本数から言えば、本家よりレアですしね。その他、人気デュオ・ゆずがストリート時代に路上販売していたカセットテープとかも数万円の値がついたりします。変わったものだと、オウム専属のオーケストラのテープとかもたまに1万円くらいで出回ってますね。全般的に、カセットテープはアナログなので劣化してしまうため、未開封だとさらに値がはね上がる傾向があります。誰かにもらって聞かずに眠っていたテープが出てきたら、一応流通価格を調べた方がいいでしょうね」(前出・古物商店主)

 片付けの最中に、イライラして一気にゴミ袋行き…なんてことをすると、思わぬお宝を捨ててしまいかねない。カセットテープを見かけたら、市場価格は要チェックだ。

(オフィスキング)

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