7月11日、中国製の動画アプリ「TikTok」が香港から撤退したことが明らかになった。同アプリを運営する中国のIT企業「バイトダンス」は、香港で6月末、中国により国家安全維持法(国安法)が施行されたことに言及し、「最近の出来事を踏まえ、香港での事業を停止する決断を下した」と説明。しかしこの撤退には批判の声がネット上で相次ぎ、日本でのアプリ使用を制限するべきといった意見も少なくない。
国安法では、ネット業者に対して国家の安全に危害を加える情報などの削除やアクセスの制限を要求できるため、TikTokは香港ユーザーを守るために撤退したように装っているが、実際には国安法に応じて情報の削除やアクセスの制限などをかければ世界各国から非難されることは明らか。そのため情勢を鑑みた中国政府からの指示で撤退したとの指摘もあるのだ。
「現在、TikTokは中印の国境紛争によってインドでの使用が禁止されており、アメリカでは『(利用者の)個人情報を中国共産党の手に渡すことになる』と使用禁止が検討され、またオーストラリアでも同じ理由で同様の措置が検討されています。TikTokは以前から個人情報を中国のサーバーに転送していると言われ、その安全性に対して疑問の声が強まっている今、国安法が施行された香港で事業を続けることは自らを危険にさらすと判断したのでしょう」(経済評論家)
これには日本のネット上でも《香港撤退は共産党指示による出来レース。騙されてはいけない》《TikTokだけじゃなくて中国産アプリ自体が危ない。日本も使用禁止にした方がいい》《日本は極めてそういうところに疎いが、利用禁止も含めた措置は考える必要はあるだろう》などの意見が出ている。
日本でもそろそろ対応を考えるべきだろう。
(小林洋三)