サッカー界に飛び火したマクドナルドVSバーガーキングの“笑撃バトル”

「ポテトもいかが? コスタリカのサッカー選手、ジョナサン・マクドナルドがユニフォームの背中に悪ふざけ。名前を『バーガーキング』に変更!」

 英紙「デイリーメール」が、こんなタイトルで元コスタリカ代表FWマクドナルド選手の“名前変更”を報じたのは6月3日のこと。記事によると、同選手は所属するLDアラフエレンセ(コスタリカ)の試合で背中に「バーガーキング」のネーム入りユニフォームを着用し、試合に臨んだそうだが…。

「中南米やヨーロッパでは、ユニフォームネームにニックネームを使う場合が多いため、それが差別や政治的メッセージといった規定に抵触ない限り、ユニフォーム上のネームには寛容なんです。でも、まさか宿敵である“マック”から“バーキン”へ改名するとは……。当然、ユニフォームネーム変更に際し、マクドナルド選手には、スポンサー契約の名目でバーガーキング側から、いくらかのお金が支払われているのでしょうが、この『禁断の電撃移籍』には関係者一同驚愕したことは間違いないでしょうね」(サッカージャーナリスト)

 というのも、海外ではマクドナルドとバーガーキングのマーケティングを巡る壮絶バトルはよく知られる話だからだという。

「イギリスのバーガーキングが投稿した『ワッパーの秘密』という動画が有名です。バーガーキングの代表メニューでもある『ワッパー』の広告写真の後ろに、じつはマクドナルドの『ビッグマック』が隠れていたというもの。ツイートには、”Thanks for having our back this year Maccy Ds(マクドナルド、1年間私たちの後ろにいてくれてありがとう)”というメッセージを添えて、自社商品の大きさを宣伝。逆にフランスでは、5キロ先にマクドナルドがあることを伝える道路広告の隣に、258キロ先にあるバーガーキングまでの道案内を詳しく説明した広告を掲示。マクドナルドもバーガーキングへの対抗心をあらわにするような広告も見受けられ、お互いマーケティング合戦に火花を散らしています」(海外のマーケティングに詳しいライター)

 日本でも、今年1月31日に閉店した「マクドナルド 秋葉原昭和通り店」に対し、2軒隣にある「バーガーキング 秋葉原昭和通り店」が、《今日は彼(マクドナルド秋葉原昭和通り店)のところに行ってください》と店頭のポスターで異例の“お願い”をしたことが話題になった。

「さらに、バーガーキングは《ずっと背中を追い続けたチャレンジャーの私たちから、スマイルを込めて。お疲れさまでした》として、1月31日から2月6日までの間に『マクドナルド秋葉原昭和通り店』のレシートを持参すれば、同店でブレンドコーヒーを無料でプレゼントするキャンペーンを実施したんです。ところが、このメッセージを縦に読むと《私たちの勝チ》という勝利宣言になることから、SNSでは《まさかの衝撃!》と驚きの声が上がる一方、《やっぱりただのエールではなかったか〜》といった声であふれていました」(ネットウォッチャー)

 とはいえ「喧嘩するほど仲がいい」の例えもあるが、いずれもライバルと認めつつ、相手の商品や店舗情報を伝えていることを考えると、根底にはやはりお互いへのリスペクトがあるに違いない。

(灯倫太郎)

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