サッカーJ2水戸でも発覚…「やりがい搾取」をされやすいタイプとは?

 サッカーJ2の水戸ホーリーホックが6月23日に会見を開き、社員約20人への残業代の未払いがあったほか、男性幹部によるパワハラにより男性社員が退職していたことを明らかにした。残業代については11年間いっさい払われていなかったといい、クラブはこれを支払う方向で調整中だという。
 
「水戸は6月25日現在、J2でプレーオフ圏内の3位につけており、好調なだけに選手やファンのショックも大きいのではないでしょうか。沼田邦郎社長は会見で、残業代未払いの原因を『厳しい経営を理解した上で働いてくれる社員もいたため、甘えてしまった』と説明しましたが、典型的な“やりがい搾取”であるとして強く批判されています」(社会部記者)

 この“やりがい搾取”は、働き方改革が叫ばれるなかで相も変わらず存在する、長時間労働の原因の一つとされている。

「経営者が労働者に対し“やりがい”を強く意識させることにより、その労働力を不当に安く利用する行為を指します。そんな目に遭いやすい従業員の傾向としてまず挙げられるのが、他人への迷惑を必要以上に嫌う、責任感の強いタイプ。さらに、自分が犠牲になっても誰かを喜ばせたいと思う自己犠牲が強いタイプ、お願いごとを断れない気の弱いタイプ。つまり、根っからのマジメな性格や優しい人が被りやすいと言われているんです」(教育社会学者)

 もちろん、そこにつけ込む会社側の責任ではあるが、働く側の意識も重要だ。

(小林洋三)

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