「消防のデータによると5月1日から13日の間に東京都内での熱中症による救急搬送者はすでに54人にものぼっています。前年の同期間に比べて10人も増加しているんです。コロナ対策におけるマスク着用で、体内に熱がこもりやすくなるのも一因と言われ、これから夏を迎えるにあたり、医師や専門家がマスク熱中症の注意喚起を行っています」(社会部記者)
いまやどこに行くにも着用が欠かせないマスク。5月も半ばを過ぎ、マスクをしての外出が暑く、息苦しく感じる陽気の日も増えてきた。ネット上では、嘆きの書き込みが多く見られる。《通勤時、マスクの中は汗だく。電車内ではずそうものなら周りの人から非国民のような目で見られる》《もし学校が再開したら子供にマスク着用を徹底させたいけど、絶対に蒸し暑くて外しちゃうだろうな》《子供を学童に迎えに行ったらマスクして顔真っ赤になってた。もう子供は限界だよ、熱中症がこわい》と、熱中症を危惧する声も。
「ステイホームによる巣ごもり生活が長く続いたことで、体力が落ちているところに、気温が上昇する炎天下への外出は非常に危険です。水分を体内に溜め込む力が弱まり、脱水になりやすい状態だといえます。マスクをつけているとのどの渇きに気づかず、水分補給を忘れがちになることも脱水に拍車をかけます」(ヘルスケア専門家)
しかし新型コロナウイルスの脅威のもと、マスク着用の習慣は欠かせない。暑い日の外出時にいかに涼しくマスクをつけるか、あの手この手の暑さ対策が取られていた。
ネット上では《冷感スプレーをマスクに吹きつけてる。
ネット民だけでなく企業も新たな試みを打ち出している。山形県のニットメーカー、「ニットワイズ」が販売している「冷やしマスク」は、保冷剤が入るポケットつきで“品切れ”が続くほどの人気商品。自動販売機でも販売されているが、補充しても追いつかない状態が続いているほどの人気商品だ。
また、フィギュアメーカーの「B’full」が、マスクによる化粧崩れやストレスの改善のために開発した「3Dプリント製立体インナー」も優れものだという。
「マスクと肌の間に立体インナーを入れることで、マスクと顔の間に空間が確保できる。これによって、汗でマスクが口元にべったりと張りついたり、口紅がマスクにうつることを防ぐことができます。息苦しさを軽減することから暑さ対策にも有効と言えるでしょう」(前出・社会部記者)
冷やしマスクも立体インナーも、冷蔵庫でマスクを冷やすよりよっぽど期待できるだろう。この夏を乗り切るためにはコロナ対策とともに、熱中症対策も怠ってはならない。
(浜野ふみ)