北海道知事選、野党候補のスローガンが招いた“不都合な事態”

 平成最後の統一地方選が3月21日、全国11の道府県知事選の告示によりスタートした。北の大地・北海道では自民・公明・大地が推薦する無所属の鈴木直道氏と、立民・国民・共産・自由・社民の野党5党が相乗りで推薦する無所属の石川知裕氏が一騎打ち。与党と野党の正面対決として全国からの注目を集めている。

 その同知事選にて石川候補の主張する「北海道独立宣言」が、地元でもなにかと物議をかもしているようだ。独自の文化を持っていた沖縄とは異なり、北海道は全国各地からの移民が多く、むしろ「我が家はどこそこ出身」というのをみんなが自任している土地柄。それゆえ北海道独立と言われてもピンとこない道民も多いようだが、スローガンとしてはなかなかに強烈なのは間違いない。その主張が地元のテレビ局を困らせているというのである。北海道出身のライターがその理由を明かす。

「TBS系列の北海道放送(HBC)でこの4月から、その名も『北海道独立宣言』という名前の番組がスタートするのです。これは太平洋に面した大樹町に男女6人がルームシェアで移住し、北海道の美味しい食材を使ったレストランを開業するというリアリティ番組。すでに3月21日には開業資金を募るクラウドファンディングも始まっており、役者やアーティストに加えてお笑いコンビ・ばーんの高田千尋も現地に移住するなど、なかなか大掛かりな番組となっています。ところがいま“北海道独立宣言”で検索すると、この番組とともに石川候補のアカウントがいっぺんにヒットする有様。まさかこのタイミングでモロかぶりするとは、不偏不党が義務付けられているテレビ局としては、頭を抱える事態でしょう」

 しかもこの番組にはなんと、ホリエモンこと堀江貴文氏も関わっているというのだ。道産子ライターが続ける。

「大樹町にはロケット発射場があり、堀江氏が投資しているロケットビジネスの会社も本拠地としています。その縁で地元振興に繋がる番組に堀江氏が協力し、レストランのプロデュースも手掛けているようです。そのため番組や出演者のツイッターにも堀江氏が頻繁に登場するのですが、事情を知らない人が見たらまるで石川候補の主張をホリエモンが推しているように見える恐れもあるのではないでしょうか」

 番組名の「北海道独立宣言」はあくまで掛け声であり、むしろ地元密着型のレストランを立ち上げようとするもの。まさかそこに政治的な主張がかぶってくるとは、堀江氏としても“想定外”なのかもしれない。

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