日テレ社長「24時間テレビ」“必ずやる“宣言と“使命感”に拡がる違和感

 日本テレビの小杉善信社長が3月23日の定例会見に出席し、毎年夏に放送する「24時間テレビ」について、「必ずやる」と明言した。

“愛は地球を救う“とのスローガンの下、毎夏様々なチャリティーイベントやマラソン企画でお茶の間を盛り上げてきた「24時間テレビ」だが、現在は新型コロナウイルスの感染拡大が続くパンデミックの最中にあり、夏までに事態が収束するかどうかも不透明。また、各放送局はロケを伴う旅番組の撮影自粛や、スタジオでの無観客収録など、多方面で緊急措置が取られており、一般視聴者やタレントらを含む大勢が一堂に会する機会の多い24時間テレビの収録は感染拡大を助長してしまう可能性もある。

 今年も例年通り24時間テレビを行うのかを尋ねられた小杉社長は「もちろん、はい」と即答し、「やらないといけないという、我々も使命感を持っておりますので」「どういう形になろうが必ずやるというふうに考えております」と宣言。全国各地にスポットライトを当てることで地域の経済活性化をもたらし、“チャリティー番組“としての役割も担っているからか、「使命感」との言葉を用いて、形式にもこだわらずに実施に踏み切る考えであることを示した。

「“使命感“を抱いて開催にこだわる小杉社長の想いとは裏腹に、世間にはその熱意があまり伝わっておらず、また、実際に感染のリスクを伴うのが現場のスタッフや一般の撮影参加者であることから、『やらないといけない使命感より、感染させない使命感を持ってほしい』『使命感? 自身は高みの見物で済むけど、現場の人々は感染リスクを負うことになる。それが社長の使命感ってちょっと違うんじゃない?』『一箇所に人を集めない方が地球を救うのでは?』との反発が寄せられています。『24時間テレビ』は毎年8月下旬頃に実施され、その時点で今回のコロナ禍がどれだけ沈静化しているかにもよりますが、現場スタッフや関係者に無理を強いてまで実施すべきではないというのが世間の声ですね」(テレビ誌ライター)

 日本テレビの中に小杉社長と同じ使命感を持つ人間がどれだけいるのかは分からないが、実施する場合には安全第一、健康第一を念頭に掲げながら撮影に臨んでほしいところである。

(木村慎吾)

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