マスク転売・諸田県議“謝罪”が火に油を注いだ大ヒンシュクと拭えない疑問

 新型コロナウイルスの感染拡大で深刻なマスク不足が続く中、静岡県議会議員の諸田洋之県議がインターネットオークションにマスクを大量出品していた問題に、ネット上では大ヒンシュクの声が収まらない。

「諸田議員は、2月半ば頃から問題が発覚した3月6日まで医療用のマスク2000枚セットを89回に渡って出品し、売上は約888万円にのぼったといいます。マスクは自身が経営する貿易会社で10年前にMARSが流行した際に中国からおよそ1100万枚を仕入れていたそうで、『売却するにも売値の設定が困難で、ネットオークションで1円から出品して、市場に価格を決めてもらおうと思った』などと、あくまで転売ではないことを強調しています」(社会部記者)

 9日には記者会見をおこない、「議員としての道義的配慮が足らず、誤解を与えてしまった。不快に思われた方に深くおわび申し上げます」と謝罪はしたが、貿易会社の社長は退くものの議員は辞職しない考えであることを表明している。

 これにネット上では、《倫理的に考えて議員辞職は当然の話》《売り上げは寄付するとか後付けだろう》《転売じゃないと主張するなら、会社の代表は続けて議員を辞めるべき》など厳しい意見が噴出し続けている。

「諸田議員によれば、マスク1枚の仕入れ値が15円であるため2000枚セットの価格は3万円で、そこに送料や経費もかかっているといい、オークションでの平均落札価格7万9200円だったことから原価率は約50%となるので、不当な利益を得ていたわけではないと主張しています。ただ、不当な利益かどうかは問題ではなく、マスク不足が叫ばれ転売が問題となるタイミングでネットオークションに出品したことが、政治家として常識に反しているのではないでしょうか。しかも、一般的なマスクの使用期限は3~5年程度と言われているので、仕入れは10年前といいますから、使用に対して本当に問題のないものなのか。10年前の商品に対して原価率のみで不当な利益ではないと主張するのはいかがなものか、多くの疑問が残ります」(経済ジャーナリスト)

 そもそも、政府がマスクの転売禁止の意向を示していたのが5日。そうした中で出品していたこと自体、通常の感覚ではないと言わざるを得ないだろう。

(小林洋三)

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