「コロナはチャンスだから」夜の街・ホストクラブに通い続ける女性客の心理

 6月に入ってから、政府関係者は「夜の街」という言葉を使って、新型コロナウイルスの感染リスクを訴えている。そうした中で6月6日、東京新宿にあるホストクラブで12人の従業員が“集団感染”したことが発表された。

「さらに5月末には、歌舞伎町にある大手ホストクラブが、従業員の新型コロナウイルス感染と営業自粛を発表しましたが、マスク着用などで感染防止に努めていても、密閉された空間で“密”な時間を過ごしたいというのが客の本音。また、新人ホストはたいてい、寮で共同生活を送っているケースが多く、感染が広まりやすいことも念頭に入れておくべきかもしれません」(社会部記者)

 政府や自治体の呼びかけもあって客足が遠のく中、これまで以上にホストクラブに通うようになったという女性客もいる。

「私はもともとホストクラブが好きだったわけじゃなくて、初めて知り合いに連れて行かれたときもそれほど楽しくはなかったんです。だた、そのときたまたまついたホストの中に、まだ入店した間もないAがいたんです。彼はプロの格闘家を目指していて、その夢を叶えるためにホストをしているんです。ただの遊びのホスト通いでしたら、コロナ騒ぎの間は行かなくなったと思いますが、私はそういうのではないので。今こそ支えなくっちゃと思って、開店再開後は以前よりも足しげく通うようにしています」(東京都在住/20代OL)

 コロナ禍の危機だからこそ、助けになってあげたい。そんな奉仕の心を抱く女性もいれば、ストレス発散のために通うこんなケースも…。

「コロナ自粛で夫も私もテレワーク、子供たちと巣ごもりをしている間、心の中でずっとホストクラブに行きたいと思ってました。コロナ明けでホストクラブのご褒美!! というのが心の支えでした。夫との関係は以前から冷えていて、それが今回完全にハッキリしてしまった感じです。巣ごもりで無理矢理に直視させられた感じですかね。コロナ離婚はする気がないので溜め込むしかないですよね。だから、家庭を存続させるためにも発散が必要なんです。独身よりも行ける回数や時間が限られてますから、その分、一回に使う金額が増えました」(神奈川県在住/40代主婦)

 最後に水商売全般に詳しい女性ライターにも、女性客の心理を聞いた。

「ホストにハマりやすい女性の特徴に、社会よりも自分個人のストーリーを大切にする傾向があります。彼女たちに『コロナだから夜の街は自粛』というロジックは通用しません。こんな時だから私が…、こんな時だからライバルがいなくてチャンス…、という個を中心とした思考になりがちです。障害があるほど恋愛にのめり込む心理に近いかもしれませんね」

 最近は新たな感染者数が発表されるたびに、そのうち何人が「夜の街」関連だったかという点にも注目が集まっている。いくらメディアが「夜の街」のクラスターの危機を訴えても、聞く耳を持たない女性客がいるのもひとつの現実のようだ。

(オフィスキング)

ライフ