マカオのカジノが新型ウイルスで閉鎖、損害は15日間で1600億円!?

 中国を中心に猛威を振るっている新型コロナウイルスがついに、主要産業に大きな打撃を与えることになった。マカオ政府がカジノの営業を15日間閉鎖すると発表したもの。

「中国の特別行政区であるマカオは、いまや米ラスベガスを抜いて世界最大のカジノシティに成長。いまや年間売上高が4兆円を超え、純利益で6300億円を超えるという巨大産業です。その源泉は中国本土から来る富豪たちの落とすチャイナマネーで、売上高の8割以上が中国人の好むバカラというゲームに偏っているほど。今回のカジノ閉鎖はカジノ運営会社の職員に感染者が出たことが直接の理由ですが、新型コロナウイルスで中国人の旅行が制限された現在はカジノが開店休業状態ゆえ、閉鎖しないという選択肢はなかったのかもしれません」(マカオに詳しいトラベルライター)

 単純計算で15日間で1600億円の売上高と250億を超える純利益が消え去るという今回のカジノ閉鎖。マカオ政府ではこの損害に耐えうる経済余力があるとしているが、果たして今後、どのような影響が起こり得るのだろうか。トラベルライターが続ける。

「日々のカジノ運営では人件費が最も大きなコストを占めるものの、15日間程度なら閉鎖の影響はさほどありません。運営会社ではむしろ、豪華ホテルやカジノの建設につぎ込んだ巨額な投資コストの回収に気を揉んでいることでしょう。ただカジノはマカオの基幹産業であり、大手カジノの投資にはマカオ政府の裏付けがあるのも同然。ひいては中国政府の裏付けでもあり、短中期的には資金面での不安はないはずです。むしろ新型コロナウイルスが沈静化すれば中国からの観光客が増大するという期待もあり、今年の後半にはV字回復している可能性もありますね」

 秋や冬にはその勢いがさらに増しているのかもしれない。

(北野大知)

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