参加国は6カ国。予選も免除されて「金メダルが絶対命題」とはいっても、選手の士気にも関わるのでは?と、懸念されている野球日本代表の侍ジャパン。
1月21日に都内で行われたスタッフ会議で、7月24日の東京五輪開会式への侍メンバーの不参加を表明。理由は「ベストな状態で試合に臨むことを考えれば(合宿地の仙台と東京を)行ったり来たりはできない」というもの。代表選手のスケジュールは7月22日から仙台で合宿に入り、24日の開会式をすっ飛ばして、25日に楽天、26日に巨人と調整試合を行って29日に福島で行われる五輪初戦を迎えるという。
だが、この判断には野球ファンからも疑問の声が相次いでいるのだ。
「参加国の少なさやホームで戦える有利さ、一流選手が参加しないアメリカなどの事情もあり、野球だけは金メダル以外、称賛されることはないでしょう。ですから、侍ジャパンにかかるプレッシャーはかなりのものと思われます。ですが、せっかくの自国開催の五輪で日本中に顔が知られている侍メンバーが、仙台からの移動を理由に開会式に参加しないということにガッカリしたという人は多いようです。もちろん、プロ野球のシーズン中に急に集まって調整せねばならず、練習時間や作戦会議にあてる時間が限られていること、選手への負担が大きいこともわかりますが、開会式に参加することでモチベーションが上がることもあるはず。この決定には金メダルを期待する野球ファンからも『ほかの国は出るんじゃないの?』『シーズン中の移動よりも楽でしょ』と残念に思う意見が少なくないですね」(スポーツライター)
開会式より前に一次ラウンドが始まるサッカーならともかく、復興五輪を掲げて福島でも開催する野球。メンバー全員は無理としても監督やキャプテンが開会式に参加するのはありなのでは?という声もある。昨年11月に行われたプレミア12では、国歌斉唱のときにニヤついていた選手がいたことで批判されたばかり。「何より熱量が足りない」というのがファンの偽らざる気持ちなのかもしれない。
(飯野さつき)