侍ジャパンの「世界野球ランキング」ダントツ1位に漂う脱力感

 1位であるに越したことはないけど…。それでも虚しさが漂うのが、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が日本時間の17日に発表した野球の世界ランキング。昨年11月の「第2回WBSCプレミア12」に優勝した侍ジャパンが1位にランクされるのは当然かもしれないが、2位にランクされたアメリカにビックリするほどの大差をつけての1位となったことで、野球ファンからも喜びよりも疑問の声が多いとか。

「東京五輪の競技種目とあって、本当なら手放しで喜ぶべきこと。でも、盛り上がらなかったプレミア12で優勝したことで世界ランキング1位といわれてもどれだけの価値があるのかわかりません。2位はアメリカ、3位韓国、4位にチャイニーズ・タイペイ、5位メキシコ、6位オーストラリアと続きますが、周知のとおりメジャーリーガーを世界大会にまったく出さないアメリカ、その次にメジャー選手が多いドミニカ共和国など、彼らが本気を出せるシーズンに世界大会を開いたことがありませんし、一流プレーヤーがほとんど出ない中での世界ランキング。ネット上でも『世界一意味のない世界1位』と揶揄される始末です。ファンからも『ランキングなんかどうでもいいから、一度でいいから本気の大会を見てみたい』という声や、『もうアジアランキングが世界ランキングじゃん?』『稲葉監督は世界一の監督ですねw』という皮肉ばかりが目立ちます」(スポーツライター)

 日本のライバル、韓国でも野球人気の衰退は問題になっているし、アメリカではメジャーのサイン盗み問題が騒動に。さらに言うと、東京五輪の野球は参加国がたったの6カ国。このうち半分がメダルをもらえるのだから、五輪種目に向かないとの意見も世界にはある。

 もはやバレーボール以上に、日本でしか客を呼べないと言われている野球の国際大会。日本の関係者の間でも「国際大会はアマチュアに戻すべき」という声も再び大きくなっているなか、東京五輪が最後の野球開催になってしまうかもしれない。

(飯野さつき)

スポーツ