採点競技よりも、「魅せるプロフェッショナル」に向いているフィギュアスケーターもいるようだ。
浅田真央が企画し、自ら主演も務めるフィギュアスケートショー「サンクスツアー」が2年目のシーズンを迎えた。前年同様、どの会場も「満員御礼」状態だが、新メンバーの高評価が人気に拍車をかけているようだ。
「観客の評判は浅田以上かも。こんな逸材が隠れていたなんて」
というのは体協詰め記者だ。その新メンバーとは、ソチ冬季五輪代表の座を浅田と争った今井遥のこと。今井は2011年冬季アジア大会で銀メダルに輝いたが、ビッグタイトルは獲っていない。17‐18年シーズンの全日本選手権に出場できず、そのまま引退を表明している。
「年齢は少し下ですが、浅田、安藤美姫、鈴木明子らと同時代に五輪代表を争ったため、表舞台に出ることはほとんどありませんでした。彼女がスケートを始めたのは小学3年生のときだそうで、国際大会に出る選手としては競技を始めるのが遅かったのかもしれません」(同前)
今井はこの1月に浅田に誘われてサンクスツアーに加わったのだが、さすがは元ライバルというだけあって、演技の基礎がしっかりしており浅田とは異なるオトナの世界観を魅せている。観客も「こんな選手がいたんだ…」と感心し、「今井ってスゴイ」と言って見入っていたそうだ。
「今井を誘ったということは、浅田に才能を見抜く目があったということでしょう。採点競技の選手としては大舞台には立てませんでしたが、アイスショー向きの選手だったのかもしれません」(大会関係者)
フィギュアスケート競技は高得点を狙う大技も駆使しなければならない。アイスショーで求められるのは、ダンスなどの魅せる演技力だ。今井は現役時代よりも輝く場所を得たようだが、その拍手の多さに主役の浅田が「嫉妬するほど」なんて声も聞かれた。
浅田真央と今井遥が美を競う「浅田真央サンクスツアー」は今年も12月まで全国で行われる。