上野由岐子と一騎打ち!金メダル獲得のカギを握る「オンナ大谷翔平」

ソフトボール日本代表の課題は「3番手ピッチャー」の底上げだが、東京五輪ではエース交代のドラマが繰り広げられるかもしれない。

「国内リーグの優勝チームを決める決勝トーナメントで、上野由岐子(ビッグカメラ高崎)が準決勝、決勝を連投し、2試合とも完投しました。彼女の力が突出しているのは事実ですが、オリンピックを意識して、あえて連投したという話も聞かれました」(取材記者)

 08年北京五輪で見せた「魂の3連投」を彷彿させる上野の活躍でチームを優勝に導いたのだが、しかし、あれからもう10年以上が経過している。38歳で東京五輪を迎える上野の連投に頼らなければならないのでは、優勝は少々覚束ない。

「藤田倭(太陽誘電)が二番手ピッチャーということになっていますが、金メダル獲得のカギを握っているのは彼女です」(同前)

 藤田は一度、エースの座を取り損ねている。19年8月のジャパンカップでのこと。同年4月に打球が直撃して下顎を骨折した上野に代わり、大車輪の力投を見せると思われたのが藤田だった。しかし藤田は、右ふくらはぎの肉離れでこの大会を欠場することになってしまった。それでも、

「藤田は二刀流です。16年はなんと、最多勝、本塁打王、打点王と投打の両タイトルを獲得しての三冠王でした。二刀流・藤田は投打ともに欠かせない人材なのです」(専門誌記者)

 ピッチャーとして登板しない日は指名打者で登場し、ガンガン打ちまくる。登板すれば、上野をしのぐと思わせるような快速球を披露する。“上野の長期政権”に終止符を打てるのは、藤田だけだろう。

「8月のジャパンカップにケガ明けの上野が選手登録されましたが、試運転程度でしか投げていません。しかし、上野が出てくると雰囲気が一変するんです」(同前)

 国内リーグでも連投を買って出たということは、上野は藤田にマウンドを譲る気はないのだろう。無尽蔵のスタミナを誇る上野、二刀流の藤田。ソフトボールはエース争いにも注目だ。

(スポーツライター・飯山満)

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