3月4日深夜放送の「月曜から夜ふかし」(日本テレビ系)で映し出された未確認飛行物体(UFO)が話題になっている。福岡県にUFOを呼べる男性がいるという企画で撮影されたもので、これまでにも地元の福岡放送が何度もUFOの姿を捉えることに成功しているという。
4日の放送では男性が手を組みながら呪文を唱えると、怪しげな光を放つ物体が遠い空に出現。同行したJAXAの専門家は「飛行機ではない」と断言し、スタジオでVTRを見守っていたマツコ・デラックスも驚愕だ。さらにローカル番組「ナンデモ特命係 発見らくちゃく!」(福岡放送)が撮影したUFOから最も鮮明なVTRが紹介されると、何らかの物体が飛行していることを確認できた。
その“UFO映像”に視聴者からは「あれは飛行機だ」との声があがる一方で、謎の飛行物体になぜか、福岡ソフトバンクホークスが関係しているというのである。よもや球団オーナーの孫正義氏がUFOビジネスに参入するとでもいうのか。航空ライターが謎解きする。
「今回、番組で大映しになった飛行物体は、飛行機で間違いないでしょう。客室の照明が横一列の窓から漏れていましたし、何よりの証拠は赤、緑、白の灯火が見えたこと。あれは航法灯というもので、左翼端に赤、右翼端に緑、そして尾部に白の灯火を点灯させることが義務付けられています。この航法灯の位置関係を見れば、その機体がこちらに向かっているのか、それとも遠ざかっているのかがひと目で分かるのです。同様に白く点滅する閃光も放っており、これは衝突防止灯ですね。映像では左から右に飛ぶ機体が、ゆっくりと左旋回している様子が見て取れました。つまりその飛行機は旋回しながら福岡空港に着陸するところだったのでしょう」
ただ福岡放送の調査では、撮影当時に飛んでいる機体はなかったという。その点について航空ライターが続ける。
「正直なところ、調査が甘かった可能性があります。時刻表を基に調べたのであれば、飛行機の到着時間がズレるのは日常茶飯事。また、航空機が発する電波情報をもとに飛行情報を映し出す『フライトレーダー』というサイトもありますが、同サイトが利用しているADS-Bという信号を発する機器は、国内線の古い機体では装備していない例もあります。ともあれ番組で大写しにされた機体については旅客機で間違いないはずです」
そんなUFOまがいの旅客機がどのように、福岡ソフトバンクホークスと関係しているというのか。
「今回の映像は久留米市付近で撮影されたもの。福岡空港からはずいぶん遠いように思われますが、福岡空港に着陸する進入経路では玄界灘から空港を左に見ながら通り過ぎ、久留米市付近で左旋回するルートが設定されています。世界中に張り巡らされた航空路には特定の場所を示す『ウェイポイント』が設定されており、上記の経路では順に“SOFTO”“BANKU”“HAWKS”の3カ所を通過。この3つを順に読むとソフトバンクホークスとなっており、パイロットが理解しやすいようになっているのです」
どうやら「月曜から夜ふかし」で放送されたUFOは、そのBANKUポイントで左旋回する旅客機だったようだ。ただほかの光もすべて旅客機かどうかは不明。もしかしたら孫氏が投資する新たな飛行物体なのかもしれない?