五輪は大丈夫!?プレミア12「決勝視聴率」に表れた野球離れ

 日本代表の侍ジャパンが因縁のライバル「韓国」を撃破した、野球の国際大会「プレミア12」。
 
 メジャー選手の参加がほぼゼロで、盛り上がりを疑問視されていた今大会。だが、決勝では面目躍如とばかりに東京ドームに4万4960人の大観衆を集めた。客席がガラガラだった他国同士の約14試合分を、この一試合だけで集めた計算で、テレビ視聴率もさぞ高かったと思いきや…。

「土曜日の日韓戦は事実上の消化試合となり、平均視聴率は関東地区で14.6%。13日夜の日本×メキシコ戦の14.1%から微増しただけでした。さすがに日曜ゴールデンタイムに行われた決勝戦は平均視聴率が19.2%、瞬間最高は試合終了直前に29.2%を記録。日本中を歓喜の渦に巻き込みましたが、野球関係者にとって手放しで喜べる数字ではない。なぜならこの数字、ラグビーワールドカップの日本代表戦に及ばなかったのは仕方ないとしても、日本チームが絡んでいない準決勝のウェールズ×南アフリカ戦や決勝のイングランド×南アフリカにも及ばないのです。以前なら、野球の国際大会で日韓の決勝戦なら30%以上は期待されたはず。スポーツ紙が19.2%にあまり触れず、瞬間最高視聴率ばかりを見出しにしているのも苦肉の策のように見えました」(週刊誌記者)

 ネットにも《アナウンサーがやたら世界一を連呼するのに違和感しかなかった》《世界ではだれも世界一と思ってないのでは》《ただの日韓戦だしw》といった冷めた意見が散見。代表辞退者が目立ったことも、ネガティブに働いたようだ。

「確かに球場の盛り上がりはすごかったが、翌日に話題にされることもあまりなかったようですから、野球の国際大会人気の頭打ち感は否めない。また似たような参加国でやる五輪野球がどこまで盛り上がるのか。メジャー選手の参加状況にもよるでしょうが、今から心配ですね」(前出・週刊誌ライター)

 少なくとも五輪では国歌斉唱でガムを噛んだりニヤニヤなどせず、試合前から真剣さを前面に出してほしいものだ。

(飯野さつき)

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