日本マイクロソフト「週休3日制」で生産性向上も他社に広がらない理由とは

 日本マイクロソフトが、今年8月に採り入れた週休3日制「ワークライフチョイス チャレンジ2019夏」の実施結果を発表し、生産性が約40%向上したことを明らかにした。果たして、働き方改革の進む日本で週休3日制は定着するのだろうか。
 
「同チャレンジは『短い時間で働き、よく休み、よく遊ぶ』をテーマに、期間中は毎週金・土・日を休業日として全オフィスをクローズし、会議の多くをオンラインで実施するなど効率化に取り組んだといいます。その結果、生産性が上がっただけでなく、従業員2280人を対象に実施したアンケートで、90%以上が仕事に対する意識や行動に良い変化があったと回答。また、消費電力が約23%削減、印刷用紙の消費も59%抑えられるなど、同社では従業員だけでなく会社にとってもメリットが大きかったことを強調しています」(ビジネス誌記者)

 週休3日制は世界中の様々な企業が取り組み、数多くの成果が報告されている。日本でも「日本IBM」「ファーストリテイリング」など大手企業が採り入れているが、対象者が一部社員となっているなど限定的で、浸透しているとは言いづらい状況にあるのも事実だ。多くのメリットが報告されるにも関わらず、広まらない理由はどこにあるのだろうか。
 
「海外でも導入、試験されている週休3日制ですが、まだまだ実験段階であることは否めず、やめた企業も少なくありません。メリットばかりが強調されていますが、かえってストレスが溜まる上に収入が減る、1日の労働時間が増える・コミュニケーション不足になるなどの事例が報告されています。特に日本人には、『取引先との連携が上手くいかない』や『自分が休んだことで他の社員にしわ寄せがいく』など他人への影響を危惧する人が多く、休んでいるのに気が休まらないという人がほとんどなのです」(経済ジャーナリスト)

 本格的に浸透するまでは時間がかかりそうだ。
 
 (小林洋三)

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