2軍で調整が続く巨人・田中将大投手が、6月18日の対ロッテ戦に降格後5度目の登板。6回を投げて5安打無失点、毎回奪三振の6Kという圧巻の投球内容を見せた。
35度を超える炎天下での投球となったが、田中本人は「いい形でアウトを積み重ねることができた。まだまだ全然いけました」と充実の表情を浮かべ、2軍を指揮する桑田真澄監督も「もう1軍で投げさせてあげたい」と高評価していたのだが…。
「1軍の阿部慎之助監督も田中の投球の映像を見ていたそうですが、1軍昇格については『今のところちょっとね』と明言を避けました。現時点で先発ローテーションに入れるポジションがない、というのがその理由です」(スポーツ紙記者)
交流戦最終戦(6月24日・対ロッテ戦)での1軍復帰も取り沙汰された田中。
「しかし実際には、今季から先発に転向した西舘勇陽に決定した。18日の日本ハム戦での好投が大きいですが、西舘は阿部監督と同じ中央大の後輩。何より、阿部監督としては将来性を優先した形でしょう」(同)
田中の獲得を球団に直訴したのは他ならぬ阿部監督本人だった。だが、交流戦最下位に沈むチーム状況において、田中の“復活待ち”を頼れるほどの余裕もない。それを考えれば、田中の昇格ストップは迷いナシの決断だろう。
(小田龍司)