夕暮れ時や夜間、雨天時など視界の良くない時間帯の交差点で、車のウインカーが路面に映し出される…そんな新機能が、新型カローラクロスの「Z」「GRスポーツ」に搭載される。
トヨタ自動車が「シグナルロードプロジェクション(SRP)」と命名したこの「路面描画ランプ」は、方向指示器の明滅に合わせて路面に光の矢印を照射し、見通しの悪い交差点や駐車場での被視認性(認知されやすさ)を高める。出合い頭事故や後退時の接触、自転車の巻き込み事故などを防止する効果が期待されている。
ユーザーからは、《安全性を高める機能、良いと思う》と歓迎する声も多い。だが、《歩行者に「止まれ」と威圧しているように見える》との指摘もあるなど、人によって受け止め方は様々なようだ。
「確かに歩行者に注意を喚起するインターフェースとしては新鮮で、その有効性は大いに期待できるでしょう。しかし、本質的にはドライバーの安全運転支援技術(自動ブレーキや歩行者検知システム)を補完するものであり、歩行者への情報提供だけで事故を防げるわけではありません」(自動車ライター)
交差点上の安全を確保するには、こうした補完機能に加えて、歩車分離や視線誘導舗装といった物理的インフラ整備を並行して進めることも必要だ。とはいえ、結局はドライバー自身の安全意識向上が何よりも重要になるだろう。
(ケン高田)