【大阪・関西万博】ホテル代の異常高騰が日本人客を遠ざける大誤算危機

 大阪・関西万博が開幕し、10月までの開催期間中に2820万人の来場者が見込まれている。

 宿泊施設の需要が高まる中、大阪市内ではホテルが開業ラッシュ。大阪・梅田ではウォルドーフアストリア大阪、ホテル阪急グランレスパイア、大阪ステーションホテルなどが開業したが、その一方で、大阪のホテルの客室数が不足し、宿泊料金も高騰してることが課題となっている。

 大阪観光局によると、2024年に大阪府を訪れた外国人観光客数の推計は約1464万人で、前年に比べ47%増加。コロナ禍前の19年(約1231万人)を上回り、過去最高となっており、今年はさらにそれを上回る1700万人を目標としている。

 さらに観光庁の調査では、大阪府内の宿泊施設の稼働率は24年12月時点で80%に達し全国1位。万博開催期間中の今年4月~10月の予約数は前年比2倍(今年1月時点)を超え、ホテルの需給がさらにひっ迫することが想定されている。

 また、これに伴いホテルの平均客室単価も19年は1万3974円だったのが去年は1万9569円と上昇。今年はさらに高騰し、その波は高級ホテルのみならずビジネスホテルにも及んでいる。

 もともとインバウンドが多いところに万博が重なり、ホテルが不足するというわけだが、そこで意外にも懸念されているのが日本人の万博来場者数が伸び悩むことだ。

「高騰するホテル代は円安もあって外国人にとっては特に高くないですが、日本人にとってはかなりの高額。万博の想定来場者数、約2820万人のうち、日本人客は約9割と見込まれています。しかしホテル代が高いことや部屋の予約が取れないことで、せっかく万博に行きたい人が行くことをあきらめてしまうことが危惧されています」(情報誌編集者)

 せっかく日本で開催されている万博に日本人が行けないのはもったない。都心部を避けて郊外で探せば安い宿泊施設もありそうなものだが…。

(鈴木十朗)

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