菅野智之の抜けた“穴”は埋まった!? 巨人の井上温大(はると)投手が、4月22日の中日戦(東京ドーム)で先発登板。8回まで毎回の自己最多となる14奪三振を記録し、わずか3安打・1失点の快投を披露した。2軍監督時代からの愛弟子である井上の投球に、阿部慎之助監督も「完璧だったんじゃないですかね。ベストピッチだった」と絶賛した。
「プロ野球で14奪三振以上を記録したのは、23年7月12日、ロッテの佐々木朗希以来(対オリックス=14個)。巨人の生え抜きに限れば、V9時代のエース・高橋一三さんが1969年5月31日の対アトムズ(現ヤクルト)戦で記録して以来、実に56年ぶりの快挙です」(チーム関係者)
セ・リーグで最も打撃が弱いとされる中日が相手だったとはいえ、見事なピッチングだった。
「得意のストレートを軸に、変化球でもしっかりアウトが取れていた。中でも今季開花したフォークは、カブスに移籍した今永昇太直伝だそうです」(巨人担当記者)
現在、巨人の課題の一つが先発ローテーションの整備であり、昨季15勝を挙げた菅野智之の不在が不安視されていた。
「絶対的な安心を置けるような先発型の補強を全く行わなかった中で、“それでもローテーションは大丈夫”と太鼓判を押していたのが、井上の2軍時を見ていた桑田真澄2軍監督。『右は戸郷(翔征)、左は井上で十分にローテーションを回せる』と語り、23年からの3カ年計画で『投手王国』を築くと宣言していましたからね。もし井上が巨人の左腕エースとして定着すれば、阿部と桑田で“俺が井上を育てた”と言い争いになるかもしれません(笑)。何しろ桑田は、ポスト阿部の座を虎視眈々と狙っていますから」(プロ野球OB)
いずれにせよ、今後も井上の登板から目が離せない。
(小田龍司)