巨人・戸郷翔征「2戦連続KO」の裏にあった「盗まれたクセ」と「メンタル」の深刻度

 巨人・戸郷翔征が4月4日、今季の初の阪神戦に先発したものの、3回7安打3失点という大乱調。帽子をたたきつけてダッグアウトに引っ込んだ。

 開幕戦とこの日、まさかの2戦連続KOであり、これはチームにとっても戸郷自身にとっても非常事態だ。試合後、戸郷は「本当に一筋縄ではいかない」と神妙な表情で話したが、阿部慎之助監督をはじめ首脳陣は、戸郷の不振を単なるスランプではないと判断しているようだ。

「3年連続12勝をあげている戸郷には、昨季の『菅野の15勝』を埋めることが大命題。阿部監督が『(相手は戸郷の)クセが全部わかっていた』と言えば、杉内俊哉投手チーフコーチも、「(クセがわかってしまうのは)宿命ですから」と続けていましたが、わずか3イニングで下げたことは戸郷の『メンタル』に気を使ったとも言えますね」(巨人担当記者)

 巨人はこの試合に勝っていたら、東京ドームで開幕から4連勝だった。本拠地での開幕4連勝は過去3シーズン(13、19、20年)達成していて、そのシーズンは全て優勝している。となれば、阿部監督としてはエース戸郷で勝って4連勝、「V確率100%」にしたかったはずだが、その目論見は水泡に帰してしまった。

 とはいえ、巨人が優勝候補の上位にいるのは間違いないだろう。だが、それもこれも戸郷の勝利数を見込んでのこと。阿部巨人にとっては戸郷の速やかな復調が何よりも待たれのである。

(小田龍司)

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