江藤拓農林水産大臣は3月4日、10~12日に実施する初回15万トンの備蓄米の放出に加え、追加の6万トンの入札を早期に行う考えを示した。
JA全農などの大手集荷業者が確保したコメが減少したことに対応するためだが、市場では今のところコメ価格下落の兆候は見られない。
コメ価格の高止まりは、一部業者や外国人と見られる転売ヤーによる「コメの買い占め」も原因のひとつと言われている。ところがこの買い占められたコメが今、行き場を失っているのだとか。
最近は買い付けにやってきた転売ヤーにあえて、古米を売る農家もあるようで、Xには「転売屋から米買わないでね。あ、ウチはやってきた転売ヤーに売ったよ。古米をな!! だから買うなよ! 転売屋は古米と共にくたばれ!」という投稿も見られる。
書き込みの真偽は不明だが、実際、転売ヤーが入手したコメは保管状態がよくないものが多く、これから暖かくなるとコクゾウムシなどの害虫が湧く可能性もある。転売ヤーとしてはすぐにでも売り抜けたいだろうが、品質の悪いコメをわざわざ購入する日本人はほとんどおらず、現在、転売ヤー同士の仁義なき「ババ抜き」が繰り広げられているという。
今後、政府の備蓄米が市場に流通すれば、コメ価格の値崩れがいよいよ始まる可能性がある。行き場を失ったコメは一体どこに流れるのか…。
コメ流通業者が語る。
「コメを美味しく食べる目安は、開封、未開封にかかわらず、1~2カ月程度。特にこれから暖かくなるので、保管状態が悪いと変色する場合もある。買い占められたコメはどこかで売り抜けなければならず、これらがブレンド米として市場に流れる可能性もある。今後購入にあたっては、あまりにも安いコメは品質を疑ったほうがいいかもしれません」
少なくともフリマアプリなどでコメを購入するのは避けたほうが良さそうだ。
(ケン高田)