備蓄米放出でも値下げは一時的で…「5kg5000円」に迫るコメの「買い時」はいつか

 政府による備蓄米の販売が近づく中、スーパーで販売されるコメ5キロ当たりの平均価格がついに4077円になった。この先、コメ価格はどうなるのか。

 政府が放出する21万トンの備蓄米のうち、まずは15万トンが3月10日に入札にかけられた。入札に参加したのは大手の集荷業者で、落札した場合は、1年以内に同量のコメを政府に売り戻すことが条件になっている。江藤拓農相は買い戻しについて、「コメの価格が落ち着くまではしない」と述べているが、いずれ市場からコメを引き揚げるのであれば、結局、供給量は増えず、価格を引き下げる効果はないのではないかとする声もある。

 また、すでに今年のコメ作りが始まっている一部の地域では、文字通りの「青田買い」が起きているようだ。コメ農家のもとに複数の業者が訪れ、通常のJAへの出荷額を超える価格を農家に提示しているという。となると、消費者にとって「コメの買い時」はいつなのか。

「すでに一部のスーパーでは5キロ5000円に迫る勢いを見せています。備蓄米の放出で、春先にかけて一時的に価格は下がるでしょうが、大幅な値下げは見込めない。また、焦って買いだめしようとすると、夏場にコメを痛めることになる。必要なときに必要な分を購入するしかないのが現状です」(コメ流通に詳しいジャーナリスト)

 商品の将来の価格を予測して取引する先物取引市場「堂島コメ平均」では、昨年6月に1万5766円だったコメ指数は、今年1月に2万5000円を突破し、2月に2万7242円を記録している。

 備蓄米の放出効果による一時的な価格下落があったとしても、消費者が購入に殺到すれば、再びスーパーの棚からコメが消えるという悪夢が起きるかもしれない。

 安心してコメが食べられるのはいつの日か…。

(ケン高田)

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