農水省が主催「自分で食材の価格を決めるスーパー」に出没した「1円購入者」に賛否両論!

 スーパーで買物をする際、各商品の値段を自分で決められたら、あなたならどうするか。

 東京・KITTE丸の内で2月20日から23日の3日間開催された「値段のないスーパーマーケット」に、様々な意見が寄せられている。

 同スーパーは、商品の適正な価格について考える消費者参加型イベントとして、農水省の主催で開催された。参加者は、日本の食を取り巻く状況について学んだあと、実際に販売されているニンジンや納豆、玉ねぎ、牛乳などの価格を「自分で決めて」購入する。最後は普段売られている適正価格と比べ、レシートに記載された「高め」「低め」「ぴったり」という3段階の表示を見て、商品の「適正価格」を学ぶというもの。

 ところが、全ての商品の価格を「1円」と設定して購入した客がいた。しかも、その際のレシートをXにアップした上で、《全て1円で買わせていただいたので3円の支払いでした。レジ袋も付いていたので実質レジ袋代だけしか払ってない気がする(笑)》などとポストしたのである。これには、《イベントの趣旨を全く理解していない》《生産者にまったく配慮していない》といった批判が殺到してしまった。

 もっとも、一方では《消費者心理として正しい》《消費者にはより安く買う権利がある》《1円からなら最低価格になるのは当然》という賛成の意見も多く寄せられるなど、両者の間で侃々諤々の議論が繰り広げられた。フードライターが語る。

「農水省では、『食品の値段をご自身で考えていただき、実際に皆様が考えた値段で食品を購入いただくことで、食品の供給に係る背景やコストについて考えるきっかけにしていただきたい』としていました。その主旨を理解した上で、生産者の経費や利益、流通コストなどを勘案すれば、さすがに『1円』という価格設定は出てこないと思われるのですが…」

 まさかスーパーの投げ売りセールと勘違いしたのか…。農水省の思惑とは別のところで、とんだ騒動が勃発してしまったようだ。

(ケン高田)

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